Suicaが進化 Suicaペンギン卒業と後任キャラクター来年11月めどに公表

2025年12月10日 12時14分更新


 東日本旅客鉄道株式会社は2025年11月11日に、「Suica Renaissance」第2弾として、モバイルSuicaアプリに新たなコード決済サービスを2026年秋に搭載すると発表した。これにより、Suicaは従来の「移動と少額決済のデバイス」から、利用客や地域のさまざまな生活とつながる「生活のデバイス」へと進化を目指す 。また、Suica誕生からイメージキャラクターを務めてきた「Suicaのペンギン」は、Suicaの進化に伴い、25周年を迎える2026年度末をもって卒業し、新たなイメージキャラクターへとバトンタッチすることも同時に発表された 。

 この新たなコード決済サービスは、従来のSuicaが持つ簡単で便利なタッチ決済に加え、利用できる決済システムを拡張するものであり 、サーバーで残高を把握する仕組みを構築するため、現在のSuicaの上限額(2万円)を超える高額な買い物にも利用可能となる 。チャージの最大上限額は30万円に設定される見込みだ 。また、このサービスでは、ビューカードを紐づけることで、クレジットの利用限度額を上限として事前のチャージなしでコード決済での買い物に利用できる機能が追加される 。さらに、バリューを送ったり受け取ったりする機能も搭載され、家族や友人間でのバリューの受け渡しが可能となる 。そのほか、お得な買い物ができるクーポン機能 、そして地域や店舗限定のバリューを発行する機能も追加される予定で 、加盟店や地域の販促ツールとしても活用される 。これにより、モバイルSuicaは子どもから高齢者まで「日常も旅先も、これさえあればいい」というユニバーサルな決済ツールへと進化していく 。この進化により、モバイルSuicaは、SC・エキナカ、マチナカ、地元・地方のお店といった「街と、お店」 、自治体や観光地といった「地域と、行政」 、そして家族、仲間、同僚といった「家族と、仲間」 など、生活のあらゆるシーンとつながり、給付や還元を受け取ったり 、高額な買い物やネットショッピングの利用 、飲み会の精算 、部活の遠征費のチャージ依頼など 、幅広い用途で利便性が向上するイメージだ 。

 そして、2001年度のSuica誕生以来、愛くるしい見た目と活躍によりSuicaの認知度向上に貢献してきた「Suicaのペンギン」は、2026年度末をもってイメージキャラクターを卒業する 。作者である坂崎千春氏は「25年という長い時間、『Suicaのペンギン』として歩むことができて幸せでした」とコメントを寄せている 。JR東日本は、これまでの愛顧への感謝を込めて、2026年度末に向けて各種キャンペーンの実施を計画しているという 。新たなイメージキャラクターは、進化するSuicaのイメージを担い、利用客の生活と幅広い接点を持つことを視野に入れている 。新キャラクターの誕生プロセスにおいては、何らかの形で利用客が参画できることも検討しており、具体的な募集方法や選定方法などは決まり次第お知らせする、とのことだ 。

 さらに、この発表に加えて、JR東日本は9日、「Suicaのペンギン」の後任となる新キャラクターについて、Suicaのサービス開始から25年の節目となる2026年11月18日をめどに公表すると明らかにした。新キャラクターの愛称を広く一般から募集することも発表された。新キャラクターの作成は、JRの利用者や沿線住民も参画できる方式を予定しており、選定方法などの詳細は2026年2月に発表する見込みだ。また、新旧キャラクターの交代式は2027年3月に開催し、他にもペンギンファンが参加できるイベントや記念グッズの販売が計画されているという。東京都内で記者会見した喜勢陽一社長は、2026年度末で卒業する「Suicaのペンギン」について、「生みの親(である原作者)の元に戻って新しい活躍の道を歩むことになる。ファンの皆さんとともに応援したい」と述べた。

 モバイルSuicaは、コード決済サービスの搭載や新キャラクターへの交代を通じて、「生活のデバイス」としてさらなる進化を目指す。

参考URL:https://www.jreast.co.jp/press/2025/20251111_ho02.pdf

関連カテゴリー