三菱UFJ銀行アプリ「ことら送金」で個人間送金が無料
2025年10月15日 11時00分更新
三菱UFJ銀行は2025年10月、『スマートフォンアプリ「三菱UFJ銀行」』で個人間の少額送金が可能な「とら送金サービス」の提供を開始すると発表した。この新機能により、同行アプリからも「ことら送金」を利用できるようになり、利用者は24時間365日、即時送金を手数料無料で行うことが可能になる。ことら送金は、株式会社ことら(代表取締役社長:原澤典之)が提供する小口送金サービスで、銀行や決済事業者をまたいで簡単に送金できる仕組みとして注目を集めている。
ことら送金は2022年10月11日のサービス開始以来、利用拡大が続いており、2025年6月時点で累計送金額は1.5兆円を突破、参加事業者も400社を超える規模に成長している。これまで三菱UFJ銀行はスマートフォン決済アプリ「Bank Pay」を通じてことら送金を提供してきたが、今回、より多くの利用者に身近な『スマートフォンアプリ「三菱UFJ銀行」』にも機能を拡張したことで、利便性が一層高まる見込みだ。同行アプリでは、個人間送金(10万円以下)が無料で利用でき、ことら送金に対応する金融機関や決済事業者の口座・アカウント間での送金がスムーズに行えるようになる。
さらに、ことら送金の特長として、口座番号を知らなくても送金できる利便性の高さが挙げられる。受取人がことら送金の受取設定をしている場合、携帯電話番号やメールアドレスを指定するだけで送金が可能であり、送金時にはメッセージを添えることもできる。これにより、従来の銀行間振込に比べ、よりカジュアルで迅速な個人間送金が実現する。
ことら送金の普及背景には、キャッシュレス決済の定着とともに、個人間でも即時・少額でお金をやり取りするニーズが急速に高まっていることがある。特に、飲み会の割り勘や家族間の送金、フリマアプリなどの個人取引など、多様なシーンで小口送金の需要が拡大している。三菱UFJ銀行は、こうした社会的ニーズに応える形で、自社アプリ内にことら送金機能を組み込むことで、ユーザーが複数アプリを使い分けることなく、日常的に使える送金環境を提供する狙いだと言える。
同行は、「安心・安全かつ利便性の高い高品質な金融サービスの提供に取り組む」としており、ことら送金の導入もその一環と位置付けている。特に金融機関の中でも最大級の顧客基盤を持つ三菱UFJ銀行が対応を開始することで、ことら送金の認知度と利用率がさらに高まることが期待される。今後は、他行や決済事業者との連携を通じて、ことら送金ネットワーク全体の拡大と利便性の向上が進む見通しだ。
今回の取り組みは、銀行アプリの機能拡張を通じてユーザー体験を向上させると同時に、送金インフラ全体の進化を後押しするものでもある。キャッシュレス化が進む中、送金のスピードや手数料の安さ、操作性など、ユーザーが求める利便性の基準は年々高まっており、金融機関にとっても競争力を左右する要素となっている。ことら送金の導入は、同行がデジタル時代の顧客ニーズに応えるための重要な施策であり、今後も金融サービスのデジタル化を牽引する存在となりそうだ。
参考URL:https://www.bk.mufg.jp/info/pdf/20251014_app_mufj_cotra.pdf