スマホ「ポイ活プラン」満足度、若年層が全体を牽引‐J.D.Power
2025年10月14日 10時19分更新
株式会社J.D. パワー ジャパンは10月8日、「2025年スマートフォン金融・決済連携プラン顧客満足度調査」の結果を発表した。この調査は、携帯電話各社が提供する金融・決済サービスと携帯電話サービス契約を組み合わせることでポイント還元や特典を拡大する「金融・決済連携プラン」(いわゆるポイ活プラン)の満足度を聴取したものだ。
総合満足度ランキングでは、docomoが678ポイントを獲得し第1位となった。docomoは、「使用可能データ容量/通信速度」(影響度33%)、「金融・決済特典のよさ」(影響度24%)、「プラン内容の説明・案内」(影響度22%)、「各種キャンペーン/適用割引」(影響度21%)の全4ファクターで最高評価を受けている。第2位はau(655ポイント)、第3位はSoftBank(651ポイント)だった。
調査全体の満足度は前年と同水準も、若年層では向上
調査全体における総合満足度スコアは638ポイント(1,000ポイント満点)で、前年調査(639ポイント)からは大きな変化は見られなかった。しかし、年代別に見ると明確な違いが見られる。
中年層(40〜59歳)が632ポイント、高年層(60〜74歳)が623ポイントにとどまるなか、若年層(18~39歳)の評価は前年比+14ポイントの664ポイントと高い評価となった。
若年層の満足度向上は、特に「プラン内容の説明・案内」ファクターでの向上が顕著であり、特典の仕組みや適用条件に対する理解が進んだことが背景にあると考えられるという。
実際に、若年層では「金融・決済連携プラン」加入によって得られる特典について、「わかりやすい」、「充実している」、「確認がしやすい/把握しやすい」といったポジティブな回答が前年より増加し、すべての項目で7割程に達しているとのこと。

金融・決済連携プランにおいて、携帯電話会社やそのグループ会社が提供する金融関連サービスの利用状況を確認すると、ゴールド以上の上位クレジットカードの利用者が前年から+8ポイント増の21%に伸びている。上位クレジットカード所有者は、「10万円超」の月々の決済額(還元特典対象となる決済に限定)を利用する割合が42%に達しており、調査全体の10%と比較して決済規模の大きさが確認されている。
しかし、上位クレジットカードの利用は約2割にとどまっており、また、銀行が2割前後、証券が1割前後と、他の金融サービス利用の広がりは限定的であることがうかがえる。
こうした現状を踏まえると、今後の経済圏拡大にあたっては、短期的なポイント付与や還元策だけでは限界があり、顧客満足度を高め、長期的に関係を深めるためには、通信を核とした金融を含む生活インフラブランドとして、長期的な視点で顧客との関係構築を深めることが重要だとJ.D. パワーは指摘している。
この調査は、金融・決済連携タイプの料金プランを契約しているスマートフォン利用者(18~74歳)1,945人を対象に、2025年7月下旬から8月上旬にかけてインターネット調査にて実施された。