全国167都市の「都市生活満足度」を比較―官能都市調査2025

2025年9月29日 10時20分更新


 LIFULL HOME’S総研は2025年9月24日、都市の魅力を身体的な経験や人間関係から評価する独自調査「Sensuous City [官能都市] 2025」のアンケート分析結果の一部を公表した。

今回の調査は、株式会社ディ・プラスが実施した「官能都市調査2025」に基づくもので、全国167都市・エリアに住む20~64歳の男女を対象に都市生活に関する意識を尋ねたものだ。調査は株式会社マーケティングアプリケーションズのインターネット・リサーチパネルを利用し、2025年6月9日から6月24日までの期間に行われた。全体の有効回収サンプル数は4万4472件にのぼり、都市の生活環境や幸福度を幅広く分析している。今回はその結果の中から「都市生活満足度」に注目し、抜粋して紹介する。

都市生活満足度は、居住する地域を「非常に満足している=10点」「全く満足していない=0点」とした10段階評価で集計されている。全体平均は6.53点となり、回答者の3分の1以上が「8点以上」を付けるなど、一定の満足度が確認された。中でも東京23区は平均6.78点と最も高く、全国的にも突出した結果となった。規模別に見ると、一般に人口が大きい都市ほど平均点は高い傾向にあるが、必ずしも直線的な相関はみられない。特に「人口50万人以上」の都市よりも「人口30万人以上」の都市の方が高い満足度を示しており、人口規模だけでは測れない地域特性が影響していると考えられる。

調査結果を人口規模別に整理すると、次のような順位付けが明らかになった。

都市生活満足度(人口規模別 平均点)

1位:東京23区 6.78点
2位:東京23区以外の人口100万人以上都市 6.70点前後
3位:人口30万人以上都市 6.60点前後
4位:人口50万人以上都市 6.55点前後
5位:人口30万人未満都市 6.30点前後

最大都市である東京23区が群を抜いて高い一方、地方の小規模都市では満足度が低下する傾向が見て取れる。ただし「人口50万人以上」と「30万人以上」の順位が逆転している点は注目すべきであり、利便性や生活コスト、居住環境といった要素が複合的に作用している可能性がある。

今回の結果からは、都市の規模や立地条件が生活満足度に大きく関わるものの、それだけでは説明できない地域特性の存在が浮かび上がった。今後の都市政策や居住地選びの参考資料として、こうした調査データは重要な役割を果たすことになるだろう。

Sensuous City[官能都市] 2025PDFより抜粋

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