国立競技場が新名称『MUFGスタジアム』に 共創で未来型スタジアムへ
2025年10月17日 11時00分更新
株式会社ジャパンナショナルスタジアム・エンターテイメント(JNSE)と株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、国立競技場を世界トップレベルのナショナルスタジアムへと発展させることを目指し、2025年10月に「ナショナルスタジアムパートナー」第一号となるトップパートナー契約を締結した。ナショナルスタジアムパートナーは、JNSEとともにスタジアムの新たな社会価値を創出していく共創の枠組みであり、公共性を保ちながら、パートナー企業の知見やアセットを掛け合わせることで、社会課題の解決や地域の活性化を目指すものだ。今回の契約を機に、2026年1月から国立競技場の呼称を「MUFGスタジアム」とし、正式名称である「国立競技場」と並行して運用される。呼称の変更を通じ、JNSEは新たな価値創出を担う複数のパートナー企業との共創を進め、世界に誇れるスタジアムづくりに取り組む方針を示している。

新呼称のもとで始動するMUFGスタジアムは、競技や興行の場にとどまらず、文化・経済・地域・社会とつながる「未来型スタジアム」への進化を目指している。スポーツや音楽など多様なイベントの誘致に加え、ICT技術の高度化やホスピタリティエリアの拡張、飲食の刷新、地域連携の強化など、2026年度の本格運営に向けた準備を進めているようだ。こうした一連の取り組みは「KOKURITSU NEXT(コクリツ・ネクスト)」と名付けられ、国立競技場の価値を拡張し「人々の希望と感動が交差する場」としての新しい在り方を再定義するプロジェクト群として展開される予定だ。MUFGとJNSEは、自社のビジネス基盤や社会貢献活動の実績を活かし、ICTを活用した設備の導入や技術実証、スタートアップ支援、アクセラレーション活動などを通じてスタジアムの価値を高める構想を掲げている。また、地域や国民の声を反映したスタジアム活用の推進、スポーツを通じた次世代支援、地方創生や文化継承の発信など、社会課題の解決につながる取り組みも計画されていると言える。
今回のパートナーシップについて、JNSEの竹内晃治社長は「金融の専門性だけでなく、文化振興や地域連携に積極的なMUFGとともに歩めることを心強く感じる」とコメント。MUFGの亀澤宏規社長も「国立競技場の発展に参画できることを光栄に思う。多様なステークホルダーとの連携を通じ、社会課題の解決とイノベーションの創出を目指す」と述べた。さらに、NTTドコモの前田義晃社長は「MUFGを強力なパートナーに迎え、スタジアムを世界トップレベルへと進化させる」と語っており、各社が一体となって構想を推進していく姿勢を見せている。国立競技場の設計を手がけた建築家・隈研吾氏も「民間パートナーの参加によって、国立競技場がさらに力を発揮していくだろう」と期待を寄せた。MUFGスタジアムは、スポーツや音楽、文化を融合しながら社会的価値を創出する新たな拠点として、日本のスタジアム運営の新たなモデルとなる可能性があると言える。