NTTコムオンライン 2025年生命保険アフターフォロー満足度を調査
2025年6月12日 09時00分更新
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、NPSベンチマーク調査2025生命保険部門アフターフォロー調査を実施した。本調査は訪問や面談、連絡、情報提供といった、生命保険の契約後における一連のアフターフォロー体験に焦点をあてた調査である。その結果、最もNPSが高かったのは4年連続でソニー生命保険(以下、ソニー生命)だった。
生命保険業界全体では、担当者の柔軟な対応や相談のしやすさ、プロとしての信用度などがロイヤルティを醸成する要因となっている。また、もともとアフターフォローを希望していなかった契約者においても、担当者の親身な対応で安心感が生まれ、保険内容への理解が深まることで、アフターフォローの重要性を認識するきっかけとなり、ロイヤルティの向上につながることが明らかになった。

NPSおすすめランキング1位はソニー生命(-31.4)で、2位は東京海上日動あんしん生命(-36.1)、3位はプルデンシャル生命(-37.7)だった。対象13社のNPS平均は-50.5であり、トップ企業とボトム企業との差は31.3ポイントだったという。ロイヤルティを醸成する要素としては、「担当者から提供される情報の内容の適切さ」や「状況に応じた柔軟な対応」、「相談のしやすさ」など、対応力に関する評価が高かった。また、「お客様を大切にする姿勢」や「金融や保険に対するプロとしての信用度」も評価されているようだ。一方で、「資産形成・教育・老後などに関する相談のしやすさ」や「不安や関心事に対するヒアリング力」、「生活状況の変化に応じた適切なタイミングでのコミュニケーション」といった点が、今後の改善が期待される項目とされている。

ソニー生命は「状況に応じた柔軟な対応」や「提供される情報の適切さ」への評価が高く、東京海上日動あんしん生命は「変化に応じたタイミングでのコミュニケーション」や「手段の適切さ」が評価された。プルデンシャル生命は「寄り添う姿勢」や「プロとしての信用度」で高い評価を得たようだ。
アフターフォローの手段としては「担当者の訪問」が最も多く(58.4%)、次いで「電話」(39.9%)、「メール」(18.9%)が続いた。デジタル手段では「契約者専用サイト(マイページ)」が14.6%、「アプリ」が5.6%だった。サポートセンターからのフォローでは、「電話」が8.9%、「メール」が8.2%だったという。担当者によるフォローと、サポートセンターやデジタルチャネルによるフォローの両方を受けた契約者のうち、後者が「同じくらい役に立っている」と感じた割合は44.3%にのぼった。また、そのように感じた契約者のNPSは高く、「とてもそう感じる」と答えた人では33.3だった。
満足度の面でも、「要望や生活状況の変化に関するヒアリング力」や「提供される情報の適切さ」、「マイページやアプリの姿勢」において、肯定的な印象を持つ人ほど満足度が高く、ロイヤルティにもつながっていることがわかった。アフターフォローを受ける前には、「希望していなかった」「あまり希望していなかった」とする人が多かった(計37.7%)。しかし実際にアフターフォローを受けたことで、「価値を感じている」とした人のNPSは21.7であり、ロイヤルティが高まっているという。
アフターフォローの価値を感じた理由としては、「担当者が親身だったこと」(46.6%)、「保険内容の理解が深まったこと」(32.8%)、「担当者の知識や回答が期待以上だったこと」(18.5%)が挙げられている。推奨度が高い人ほど継続利用意向も高く、「推奨者」の平均は9.3、「中立者」は7.8、「批判者」は5.7だった。NPSは継続意向にも密接に関わっているようだ。
この調査結果は、今後の生命保険業界における顧客体験の改善や、より良いアフターフォロー体制の構築に向けた貴重であり、今後も顧客視点に立ったサービスの進化が期待されるところだ。
NPS®(Net Promoter Score®)とは、「友人や同僚に薦めたいか」という質問への回答をもとに顧客ロイヤルティを測定する指標。欧米では上場企業の約3分の1が導入しており、日本でも顧客満足度に代わる新たな指標として導入が進んでいる。