SB、25年4~6月期は増収減益 ファイナンス事業は順調

2025年8月6日 11時45分更新


 ソフトバンクは2025年8月5日、2026年3月期 第1四半期(4~6月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比8.0%増の1兆6,586億円と順調に増加したものの、営業利益は同4.3%減の2,907億円、純利益は同10.6%減の1,453億円となり、結果として増収減益での着地となった 。

この背景を事業別に見ると、全体の成長を強力に牽引したのはPayPay事業などが含まれるファイナンス事業となっており、QRコード決済やクレジットカードの取扱高が大きく伸び、売上高は前年同期比23.2%増の913億円、セグメント利益は181億円と、前年同期比で136.8%の大幅な増益を達成した。

 また、法人向けのエンタープライズ事業も好調を維持していると言える。企業のデジタル化需要を背景にソリューション売上が増加し、売上高は同8.5%増の2,338億円、セグメント利益は同17.7%増の488億円と、二桁の利益成長を遂げたようだ 。一方で、LINEヤフーなどが含まれるメディア・EC事業のセグメント利益は、同26.4%減の707億円となった 。これは主に、前年同期に計上された子会社の支配喪失に伴う一過性の利益がなくなったことによるものであり、事業の基調を示す上では特殊要因と捉えるべきだとソフトバンクは主張している。主力のコンシューマ事業も、携帯端末の販売は好調で売上高は同5.3%増の7,178億円となったものの 、販売促進費などのコストが増加した結果、セグメント利益は同1.6%減の1,538億円と、わずかながら減益となった。

設備投資は前年同期にAI計算基盤向けの大型投資があった反動で減少したものの、これは戦略的な投資サイクルの結果であり、今後もAIデータセンター構築など次世代社会インフラへの注力は継続されると言える 。安定した通信事業を基盤としながら、成長著しいファイナンス事業と未来を創るAI事業へ積極的に投資する、これが現在のソフトバンクの経営戦略の核心であると言えるだろう。

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