JCSIシティホテル満足度、帝国ホテルが首位
2026年10月29日 09時50分更新

公益財団法人日本生産性本部のサービス産業生産性協議会は2026年10月27日に、国内の主要サービス産業における顧客満足度「2026年度 JCSI(日本版顧客満足度指数)」の第4回調査結果を発表した。この調査は、日本のサービス産業全体の生産性向上と企業の競争力強化を支援することを目的に設計された国内最大規模の顧客意識調査フレームワークである。例年、計30以上の幅広い業種・業態から約400社に及ぶ有力企業や代表的ブランドを抽出し、年間を通じて複数回に分けて定点観測を実施している。通算第89回目となった今回の第4回調査では、シティホテル、ビジネスホテル、国内長距離交通、教育サービス、生命保険、損害保険、有料特急の7業種が対象として選定された。調査は2026年8月19日から9月1日にかけてインターネットモニターを活用した2段階方式で実施され、調査対象となった75企業・ブランド全体で23,143人の有効回答を得た。このうち、規定条件を満たして正式なランキング対象となった66企業・ブランドの回答者数は20,961人に上り、厳格な統計基準のもとで各業界のサービス水準が多角的に検証された。
今回発表されたシティホテル部門においては、調査対象となった8企業・ブランドの中から規定の有効回答数を満たした5ブランド(ANAクラウンプラザホテル、帝国ホテル、プリンスホテル、ホテルオークラ、ホテル日航)が正式なランキング対象として比較評価された。回答者の選定にあたっては、調査時点から過去2年以内に同一ホテルを2回以上利用しており、かつ過去1年以内に実際に利用して発生した宿泊料金などの支出を見聞きしている利用者に厳密に限定された。原則として1ブランドあたり300人以上の有効回答を確保し、約110問に及ぶ多面的な設問を通じて、利用前の期待値から利用時の実感、価格に対する納得度、さらには他者への推奨や将来の再訪意向に至るまでを精緻にスコア化している。単なる一時的な利用体験にとどまらず、リピート利用の実績と直近の購買体験を併せ持つコアな宿泊客による評価が集約された点に、この調査の信頼性の高さが表れている。
集計の結果、シティホテルの顧客満足部門において、帝国ホテルが81.6のスコアを記録して堂々の第1位を獲得した。続く第2位には顧客満足スコア80.2を獲得したホテルオークラが入り、第3位には79.3を記録したホテル日航が続いた。特筆すべきは、首位となった帝国ホテルが「顧客満足」にとどまらず、JCSIが設定する主要6指標のすべてにおいて単独トップの座を独占した点だ。具体的には、利用前に抱く事前の印象や期待度を測る「顧客期待」で82.2、実際に宿泊して五感で感じたサービスの質を示す「知覚品質」で80.9、提供された品質と宿泊費用を対比した納得感・コストパフォーマンスを評価する「知覚価値」で78.7を記録した。さらに、利用したホテル体験を周囲の人へ肯定的に薦めたい度合いを表す「推奨意向」で79.2、今後も優先して繰り返し利用したい再利用意向を示す「ロイヤルティ」で76.0をマークし、あらゆる評価軸において他の追随を許さない圧倒的な支持を集めた。

観光や宿泊に対する生活者の価値観が多様化し、価格競争だけでなく滞在空間における本質的なホスピタリティや体験価値の質が問われる現代において、利用者の期待を先回りした細やかな気配りと歴史に裏打ちされた高品質な接客対応を徹底し続ける伝統ホテルの強さが改めて証明された形だ。この調査結果は、長年にわたり培われた伝統と確固たるブランド価値を土台としながら、利用前の高い期待を超える卓越した滞在体験を提供し続ける老舗ホテルこそが、厳しい利用者の信頼を勝ち取り揺るぎない顧客ロイヤルティを確立できることを如実に示している。
参考URL:https://www.jpc-net.jp/research/detail/008234.html





