北海道ガスがNPS首位、料金説明とデジタル活用が鍵

2026年2月16日 09時15分更新


 2026年2月10日、NTTドコモビジネスX株式会社は、都市ガス12社を対象とした「NPSベンチマーク調査2025」の結果を公表し、顧客推奨度を示すNPS(Net Promoter Score)のランキングで北海道ガスが1位になったと発表した。
調査では、補助金制度の変更などで料金が大きく変動する環境下で、料金に関する正確で分かりやすい情報提供が顧客ロイヤルティや満足度の向上に深く関わることが示された。 また、マイページや公式アプリの活用度合いが高いほどNPSが高くなるなど、デジタル接点の質と頻度が推奨意向に影響する傾向も明らかになった。

調査では、北海道ガスがNPS-32.2でトップとなり、大阪ガス、カテエネガス(中部電力ミライズ)が続いた。 12社の平均NPSは-44.8で、上位企業と下位企業の差は35.4ポイントと開きが大きく、同じ都市ガス業界でも顧客体験の質に差があることがうかがえる。 北海道ガスは「企業の寄り添う姿勢・顧客の声を大事にする姿勢」「設備の点検・検針時の応対」「申し込み時の手続きのスムーズさ」などで高評価を得ており、価格だけでなく対面・手続き双方の接点品質がロイヤルティに結びついている構図が見て取れる。

業界全体のロイヤルティ要因を20項目で分析した結果では、「企業の信頼性・ブランドイメージ」や「サービスの信頼性・安定性」が推奨度を押し上げる主要因となった。 これに加え、「顧客に寄り添う姿勢」「申し込みや引越し・住所変更・プラン変更など各種手続きのスムーズさ」「点検・検針時の応対品質」といった、日常的な接点での体験がNPS向上に寄与している。 一方で、「契約プランがシンプルで分かりやすいこと」や「利用明細・請求書の見やすさ」が優先的に改善すべき項目として抽出されており、複雑な料金体系や帳票デザインが満足度の阻害要因になっている実態も浮かび上がった。

料金面では、2025年1~3月の厳冬期における値引き、4月の補助終了、同年7月からの補助再開など、補助金の開始・終了・減額に伴う月々の請求額の変動が続く状況が前提となっている。 しかし、「補助金の有無や内容を正しく把握し、料金変動の理由に納得している」と答えた層は11.8%にとどまり、「補助金による値引きを意識したことがない」37.5%、「制度は知っているが自分の支払額への影響は分からない」35.6%が多数派だった。

料金に関する情報提供の分かりやすさについても、「どちらともいえない」が56.3%と最も多く、「非常にそう感じる」「ややそう感じる」という肯定的評価は少数にとどまる。 ただし、「料金について正確でわかりやすい情報提供ができている」と強く感じている層のNPSは21.2と高く、料金説明への納得感が高いほど推奨度も高まる傾向が確認された。 エネルギー価格の変動と政策的な補助金が重なる中で、単に値上げ・値下げの結果だけでなく、その理由と影響を噛み砕いて伝えることが、顧客ロイヤルティの維持・向上にとって重要な課題になりつつあるといえる。

デジタルチャネルとの関係では、契約している都市ガス会社のマイページや公式アプリを「1年以内に利用した」と回答した人は全体の21.1%にとどまったものの、この利用者のNPSは-17.8と、非利用者に比べて高い水準だった。
マイページやアプリでは、「直近月の使用量・料金の確認」が84.8%と最も多く利用され、「ポイントの確認・交換」「使用量・料金の推移グラフの閲覧」も一定の利用率となった。 利用頻度別にみると、「週1回以上」利用する層が34.0%、「月1回程度」が28.6%で、このうち週1回以上のヘビーユーザーのNPSは-7.6と、頻度が上がるほどNPSも改善する傾向が見られる。
使用量・料金の見える化やポイント連携など、デジタル上のサービス設計が料金理解を助け、そのことが納得感や信頼感を通じて顧客ロイヤルティにつながっている可能性がある。

推奨意向と継続利用意向の関係では、「友人や同僚におすすめできるか」を問う推奨度が高い層ほど、今後も同じ都市ガス会社を使い続けたいと回答する傾向が確認された。 推奨度が9~10の「推奨者」セグメントでは継続利用意向の平均スコアが9.6、7~8の「中立者」では8.0、0~6の「批判者」では6.1となり、推奨度と継続意向が連動している。
旧都市ガス会社と、自由化以降に参入した新電力系・通信系などの新都市ガス会社が競合する中で、NPSを単なる満足度指標ではなく、解約リスクやクロスセル余地を測る経営指標として活用する動きは、今後さらに広がる可能性がある。

出典:NPS業界別ランキングトップ企業 2025

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