引越し時の電力契約、3人に1人が切り替えも満足度は高水準
2025年10月7日 09時05分更新
株式会社シグナストラストと未知株式会社は10月3日、引越し時の電力契約に関する意識調査の結果を公表した。調査は過去5年以内に引越しを経験した155人を対象に実施され、電力契約の変更実態や選定理由、満足度などを分析した結果、消費者の料金志向の強さとともに、手続きや情報収集の煩雑さが切り替えの障壁となっている実態が浮かび上がった。

調査によると、引越しを機に新しい電力会社へ切り替えた人は全体の35.5%と、約3人に1人にとどまった。切り替えの理由では「料金を安くするため」が54.5%で最多となり、「引越しを機に見直したかった」と「セット割引でお得になるため」が25.5%と続いた。経済性を重視する傾向が顕著であり、ポイントや特典の魅力、契約手続きの簡便さも意思決定を左右する要素となっている。

一方、切り替えなかった人の理由としては「現在の契約に満足している」(44.0%)が最も多く、現状維持志向が根強いことがわかった。ただし、「比較・調査が面倒だった」(36.0%)、「電力会社の違いがわからなかった」(21.0%)といった回答も多く、手続きや情報整理の負担が切り替えの障害になっていることが示された。引越し時の忙しさや、契約変更に対する心理的ハードルの高さも見逃せない要因といえる。
電力会社の情報収集方法としては、「電力会社比較サイト」が43.6%で最も多く、次いで「不動産会社や引越し会社の案内」(34.5%)、「電力会社の公式サイト」(23.6%)が続いた。デジタル比較ツールを通じて情報を得る利用者が主流となっており、オンライン上での情報発信力が重要性を増している。
選択時に重視する要素では「料金の安さ」が69.1%で圧倒的な1位となり、2位の「契約手続きの簡単さ」(34.5%)を大きく引き離した。「セット割引(ガス・インターネットなど)」(27.3%)や「ポイント・特典の充実度」(21.8%)など“お得感”を訴求する要素も上位に入り、コストパフォーマンスが顧客満足度を左右する構図が鮮明となった。

現在の契約に対する満足度は高く、「とても満足している」「やや満足している」を合わせると66.5%に達した。満足度が高い一方で、「条件次第で切り替えを検討する」と答えた人も半数を超えており、潜在的な切り替え意向の高さも確認された。電力小売市場の競争が成熟期を迎える中で、企業には料金以外の付加価値や、ストレスのない契約体験を提供することが求められている。

参照:引越し時の電力契約、切り替えたのは3人に1人!切り替えの最大要因は「料金」
未知株式会社:https://www.mchs.co.jp/
株式会社シグナストラスト:https://www.cygnus-trust.com/
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