「老後資金の不安と対策」全国500人のリアルな声 株式会社AlbaLink調査
2025年4月4日 10時49分更新
少子高齢化や年金の支給額減少により、「老後の生活に不安を感じている」という声が年々増えている。将来に備えて、今からどのような資金対策をしておくべきなのか――。
不動産関連事業を展開する株式会社AlbaLinkは、全国の男女500人を対象に「老後の資金対策に関する意識調査」を実施した。その結果、約7割の人が「老後資金の準備に不安を感じている」と回答したことがわかった。
今回の調査では、実際にどのような対策を行っているか、また、今後どのような対策に取り組みたいと考えているかを詳しく聞いた。加えて、老後資金に関する具体的な不安についても回答を集めランキング形式で紹介している。

【現在取り組んでいる老後の資金対策】
最も多くの人が現在行っている対策は「預貯金を増やすこと」で、回答者の約半数にあたる48.2%が実施していると答えた。「毎月5万円ずつ貯金している」「パート代をすべて貯金に回している」といった声があり、堅実に貯蓄を重ねている人が多いことがうかがえる。
次に多かったのは、「有価証券の購入」で39.6%となった。投資信託や株式を中心に、NISAやiDeCoといった制度を活用している人が多く、「積立NISAを毎月7万円分購入している」「新NISAと自社株を併用している」など、目的に応じて複数の投資手法を組み合わせている様子が見られた。また、「節約を心がけている」という回答も35.4%にのぼった。「コンビニを避けてスーパーを利用する」「水筒を持参して外出先での支出を減らす」など、日常生活のなかで細かな工夫を積み重ねているようだ。
そのほかにも「副業をして収入を増やしている」「保険に加入して備えている」といった対策も挙がった。副業ではフリマアプリを活用した不用品販売や、小規模な仕事を始めたという声があり、保険では外貨建て保険や個人年金保険に加入している人が多かった。

【老後資金に対する不安の実態】
老後の資金に関して最も多かった不安は、「十分な年金がもらえないのではないか」という点だった。回答者の37.8%がこの点を不安視しており、「将来、年金が減額されるのではないか」「制度そのものが破綻するのではないか」といった声が寄せられた。次いで多かったのが、「物価の上昇」に対する不安で、33.4%の人が選んでいる。インフレによる資産価値の目減りを懸念する声が多く、「いくら貯金しても将来的に足りなくなるのではないか」といった切実な声が寄せられた。
「医療費の高騰」についても31.0%が不安を感じていると答えており、突然の入院や治療費の負担が家計を圧迫するのではないかと心配する人が多かった。また、「介護費用」や「長生きによる資金の枯渇」なども多くの人が挙げており、将来にわたって資金が持続するかどうかを心配している様子がうかがえる。
【今後取り組みたいと考えている資金対策】
今後行いたい老後対策として最も多かったのは「資産運用」で、47.0%の人が回答した。「NISAの非課税枠が拡大したことをきっかけに始めたい」「投資について学び始めた」といった前向きな意見が目立ち、若年層を中心に資産形成への関心が高まっているようだ。また、「家計の見直し」を挙げた人も33.4%にのぼった。日々の支出を見直すことで無理なく資金を確保しようという考えが広がっており、「家族と一緒に家計簿をつけている」「固定費の見直しから始めたい」といった実践的な取り組みが紹介されている。

今回の調査からは、老後の生活に対する強い不安と、それに対処しようとする前向きな姿勢の両方が浮かび上がった。現在は預貯金や節約といった堅実な手段を中心に対策を行っている人が多いが、今後は資産運用や家計の見直しなど、より積極的な方法へとシフトしていく傾向が見られる。年金だけに依存せず、多様な手段を組み合わせて老後に備えることが、これからの時代には求められそうだ。