AIチャットサービス応答速度実測調査発表【2026年7月】ICT総研

2026年7月21日 11時09分更新


 株式会社ICT総研は2026年7月21日、ChatGPT(OpenAI)、Gemini(Google)、Claude Sonnet 5(Anthropic)の主要3大AIチャットサービスを対象に、API経由での応答速度実測調査を実施した。昼帯(12時台)・深夜帯(2時台)の2時間帯にわたり、各サービス計30試行の速度計測を実施。質問を送信してから回答の最初の文字が表示され始めるまでの時間である初回トークン*1到達時間(TTFT:Time to First Token)、および回答の表示がすべて完了するまでの時間である完全応答時間(E2E:End-to-End Latency)を比較した。
*1 「トークン」とは、AIが文章を生成する際の最小単位であり、日本語ではおおむね1〜2文字に相当する。

■ ChatGPTが初回応答速度で最速、中央値0.70秒 | 昼夜とも安定した速度特性
■ Geminiは安定性トップ、標準偏差0.20秒 | 昼夜一定のばらつきを維持
■ Claudeは速度と安定性を両立、昼帯σ0.30秒 | 深夜帯はやや変動幅が拡大
■ 完全応答時間(E2E)は最大2.5倍の差 | ChatGPTが最速1.29秒

ChatGPTが初回応答速度で最速、中央値0.70秒 | 昼夜とも安定した速度特性

 初回トークン到達時間(TTFT)の中央値において、ChatGPT(gpt-5-chat-latest)が昼帯0.70秒・深夜帯0.73秒と3サービス中最速の結果を示した。昼夜ともに大きな変化がなく、時間帯を問わず安定した速度を維持していることが確認された。2番目に速いClaude Sonnet 5(昼帯0.94秒)と比較しても約1.3倍の差があり、初回応答時間において3サービス中最速であることが今回の計測から示された。
 平均値は昼帯0.80秒・深夜帯0.83秒と中央値との乖離が小さく、分布の偏りが少ないことが確認された。標準偏差は昼帯0.43秒・深夜帯0.44秒で、昼夜ともに安定した速度特性を示した。通常ケースの応答は非常に速い一方、まれな大幅遅延も発生することが今回の計測で確認された。

図1 TTFT中央値比較(初回トークン到達時間)

Geminiは安定性トップ、標準偏差0.20秒 | 昼夜一定のばらつきを維持

 Gemini(gemini-3.5-flash)のTTFT中央値は昼帯1.79秒・深夜帯2.05秒と3サービス中最も遅い結果となった。しかし安定性の観点では他サービスを引き離した。標準偏差は昼帯・深夜帯ともに0.20秒と一定で、ChatGPTの昼帯0.43秒の約半分にとどまり、3サービスの中で最も小さい変動幅を示した。中央値と平均値の差も最大0.34秒(深夜帯:中央値2.05秒・平均2.09秒)と小さく、安定した応答特性が確認された。
 昼帯・深夜帯の速度差は0.26秒(昼1.79秒→深夜2.05秒)にとどまり、いずれの時間帯でも同水準の応答速度が計測された。測定回ごとの応答時間のばらつきが少ないことが今回の計測からも確認された。

図2 安定性比較(TTFT標準偏差σ)

Claudeは速度と安定性を両立、昼帯σ0.30秒 | 深夜帯はやや変動幅が拡大

 Claude Sonnet 5のTTFTは、昼帯中央値0.94秒・標準偏差0.30秒と、ChatGPTに次ぐ速度と良好な安定性を示した。平均値(1.05秒)と中央値(0.94秒)の乖離は0.11秒にとどまり、分布が整っていることが確認された。
 深夜帯ではTTFT中央値1.05秒・標準偏差0.45秒と、昼帯と比較してわずかに変動幅が広がった。日本の深夜帯は米国・欧州の利用集中時間帯と重なるため、グローバルサービスにおいては必ずしも深夜帯のサーバー負荷が低下するとは限らないことが要因として考えられる。時間帯によって応答速度が変動することが今回の計測から示された。

完全応答時間(E2E)はサービスにより最大2.5倍の差 | ChatGPTが最速1.29秒

 テキスト生成完了までの完全応答時間(E2E)は、サービスごとに特性が異なる結果となった。ChatGPTは昼帯中央値1.29秒・深夜帯1.27秒と最速を維持した。GeminiはE2E中央値が昼帯1.79秒・深夜帯2.05秒で、TTFTとほぼ同値となった。これは短文回答における生成時間がほぼゼロであることを示しており、回答開始後に実質的な追加待機が発生しない特性を持つ。
 Claude Sonnet 5のE2E中央値は昼帯3.28秒・深夜帯3.41秒で、TTFTの約3倍の時間を要した。ChatGPTのE2E(昼帯1.29秒)と比較すると最大2.5倍の差となる。各サービスのTTFTとE2Eの比率には明確な違いがあり、初回トークン到達後の生成時間にもサービスごとの特性の差が計測から確認された。

図3 E2Eレイテンシー内訳(TTFT+生成時間)

測定概要 | API経由・各時間帯30試行

◇ 測定日時:昼帯 2026年7月14日(火)12時台 / 深夜帯 2026年7月15日(水)2時台
◇ 測定対象:ChatGPT(gpt-5-chat-latest)、Gemini(gemini-3.5-flash)、Claude Sonnet 5(claude-sonnet-5)
◇ 測定手法:API streaming計測(API経由のため体感値より若干速い傾向あり)。30秒インターバル、各サービス各時間帯30試行
◇ 質問内容:一般知識を問う一問一答形式の短文質問10種を順番に使用(例:「日本の首都はどこですか?」「水の沸点は何度ですか?」「富士山の標高を教えてください。」)
◇ 回答ボリューム:いずれも1文程度の短い回答。出力上限は3サービスとも200トークン(日本語でおおむね100〜200文字相当)に統一し、条件を揃えた
◇ 測定指標:TTFT(質問送信から回答の最初の文字が表示され始めるまでの時間)、E2E(回答の表示がすべて完了するまでの時間)、標準偏差σ(測定値のばらつきの大きさ)
◇ 測定環境:有線LAN接続、VPN無効


【本資料の調査結果・計測データについて】
*この調査は、ICT総研スタッフによるAPI経由の応答速度実測データをまとめて分析したものである。測定値は実施日時・ネットワーク環境・サーバー稼働状況により変動するため、各社の公表値と異なる場合がある。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、資料公開時点のものであり、その後の市場環境等の変化や新たな分析に基づき予測データ等を予告なく変更する場合がある。
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該当調査URL:https://ictr.co.jp/report/20260721.html/

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