コード決済利用率84.2%に拡大、利便性とポイント還元が普及を後押し

2025年7月14日 10時03分更新


 株式会社くふうカンパニーホールディングスは、スマートフォンによる「コード決済」に関する調査結果を発表した。調査によると、キャッシュレス決済の中で最も多く利用されているのは「コード決済」で84.2%に上り、次いで「クレジットカード」(76.3%)、「電子マネー」(69.8%)が続いた。特にコード決済の利用者の半数以上が、直近1年でその利用頻度が「増えた」と回答しており、その増加傾向が顕著である。

利用が増えた主な理由としては、「身近に利用できる店舗が増えたこと」が最も多く挙げられ、個人のキャッシュレス化の進展や、多様な決済方法の中からメリットを見出して利用する決済方法を集約する動きも見られる。物価高への対策としてポイント還元を期待し、本格的に利用を始めたという声もあった。

コード決済が選ばれる最大の理由は、「ポイント・キャッシュバックのお得感」と「支払いが簡単でスピーディ」であり、いずれも約8割の人がこの理由を挙げている。また、「スマホだけで買い物が完結する」(63.7%)、「現金を持たなくてよい」(62.0%)といった利便性も高く評価されている。割り勘に便利な個人間送金機能や、フリマアプリ売上金との連携も利用を後押ししている。

一方で、利用者には課題も存在する。最も困ることとして「使えない店がある」が62.2%に上り、「つい使いすぎてしまう」(22.0%)や「家計管理がしづらい」(15.8%)といった声もある。夏の旅行・レジャーシーンでは、旅先でコード決済が使えない店舗や施設が多いこと(68.9%)、普段利用しているコード決済が使えないことがある(41.5%)といった不便さが最大の悩みとなっている。スマートフォンの充電切れや電波状況の悪さも懸念材料として挙げられている。こうした状況から、旅行に持参する現金は約半数の人が「減った」と回答しており、キャッシュレス化の進展がうかがえる。

家計簿アプリ「Zaim」は、2025年2月に「PayPay」の取引履歴データ取り込み機能を追加。コード決済利用者の82.0%がPayPayを利用しており、Zaimでは自動で支払い記録を反映できる点が好評だという。手動入力の手間が省け、記録漏れ防止や家計管理の利便性向上に寄与している。

コード決済は利便性と経済的なメリットで急速に普及が進む一方、利用場所の限定性や家計管理の課題も抱えている。消費者の満足度をさらに高めるためには、決済インフラのさらなる普及と、多様な決済手段に対応した家計管理ツールの連携強化が鍵となる

調査の詳細は、くふうカンパニーのリリースから確認できる。
https://kufu.co.jp/pressrelease/

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