2025年12月CMランキング、PayPay経済圏とTikTokが躍進

2026年1月23日 10時17分更新


 SMN株式会社は2026年1月21日に、同社のテレビCMメタデータシステムを用いて集計した「2025年12月度テレビCM放送回数ランキング」を発表した。この調査は、東京、大阪、愛知、福岡、北海道の主要5大都市圏における地上波25局およびBS放送6局で放送されたテレビCMを対象としている。SMNはソニーと共同開発した独自の動画認識エンジンを活用しており、リアルタイムで解析された放送履歴情報を基に、2025年冬のテレビ広告市場における勢力図を明らかにした。

 2025年12月の商品別テレビCM放送回数において、首位を獲得したのはアリナミン製薬の「ベンザブロックプレミアムDX」であった。同商品は2025年10月から3か月連続でトップを維持しており、冬の風邪薬需要を取り込んだ安定した出稿姿勢が目立つ結果となった。大きな注目を集めたのは2位に急浮上したPayPayカードの「PayPayカード」である。同社はバーコード決済サービス「PayPay」と連動したポイント還元キャンペーンに加え、セキュリティ面の強固さを強調する内容で出稿を大幅に強化した。さらに8位にはソフトバンクの「ペイトク」がランクインしており、キャッシュレス決済を基軸とした「PayPay経済圏(エコシステム)」の拡大戦略がテレビCMの露出量にも色濃く反映されている。また、4位にはTikTokがランクインした。庄司智春・藤本美貴夫妻を起用し、親子で安心して利用できる「安全性」を前面に押し出したCMを大量に放映したことが特徴的である。これは、プラットフォームとしての信頼性向上を最優先する世界的な戦略に基づく動きと分析されている。

 前年である2024年12月のランキングと比較すると、広告出稿のトレンドには決定的な変化が見られた。2024年の同時期は「ふるなび」や「さとふる」といったふるさと納税関連のサービスが年末の駆け込み需要を狙って上位に並んでいたが、2025年はその光景が一変した。これは2025年10月に実施されたポイント付与禁止を伴うルール改正が影響しており、駆け込み需要のピークが9月へと大幅に前倒しされたことが要因である。また、2024年は家具大手のニトリや、決済サービスのエアペイ、中古車販売のWECARSなどが台頭していたが、2025年は物価上昇という社会背景が色濃く反映されている。消費者の関心が実生活への投資から、デジタル経済圏を賢く活用した「生活防衛」や、利用するプラットフォームへの「信頼性」へと鮮明にシフトした一年となった。

 エリア別の集計では、地域ごとの特性も顕著に表れた。東名阪の主要都市圏では全国ランキングと同様にPayPayカードやTikTokが上位を占める一方で、地方都市では地元企業の勢いが勝る結果となった。福岡エリアではイオン九州の「イオン九州 最得の歳末」が2位に食い込み、札幌エリアではセコマ(セイコーマート)の「特製北のおせち三段重 新春の慶」や「クリスマスケーキ」が2位・3位を独占した。このように、全国規模のデジタルサービスが席巻する一方で、年末年始特有の季節商材を扱うローカル企業の底堅さも示されている。SMNが提供するテレビCMメタデータは、約20年にわたる運用実績と10万件以上の蓄積データを持ち、現在はWeb広告の掲出トリガーや視聴ログとの掛け合わせによる高度なマーケティング分析にも活用されている。

 2025年12月のテレビCM市場は、キャッシュレス経済圏の拡大とプラットフォームの安全性訴求、そして制度改正による季節需要の変容が際立つ結果となった。

参考URL:https://www.so-netmedia.jp/topics/press-release-20260121/

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