アスクルがシステム障害から本格復旧へ、関西DC再開で取扱商品が大幅拡大
2026年1月19日 10時00分更新

アスクル株式会社は2026年1月15日に、2025年10月に発生したランサムウェア攻撃によるシステム障害に関し、ASKULサービスの本格復旧フェーズが大きく進展したと発表した。今回の発表は、一連の障害発生から数えて第16報となるもので、特に関西エリアの物流拠点が稼働を再開したことにより、注文可能な商品数が飛躍的に増加したことが報告されている。
同社によれば、2026年1月14日より「ASKUL 関西 DC」において、物流システムを用いた商品出荷が再開された 。これに伴い、単品(バラ)単位で注文できる対象商品は、これまでの約2万5千商品から約24万4千商品へと大幅に拡大している。現在、在庫商品として供給可能な「商品数」は約24万4千点だが、サイズや入数などのバリエーションを含む「申込番号数」としては約34万4千アイテムにのぼるという。また、直送品については約1,450万点を超える規模で提供されている。現在は、東京、関東、仙台、福岡、そして新たに追加された関西の各DCから単品および箱単位での出荷を行っているが、大阪、横浜、名古屋の物流センターについては、引き続き箱単位の出荷のみに対応している 。現時点では出荷拠点が限定的な運用となっているため、配送のリードタイムは1日から7日程度を要する状況だが、同社は安全稼働を最優先としつつ、順次出荷センターを拡大させることで、従来通りの品揃えと配送スピードの実現を目指している。
主要なサービス別の状況を見ると、ASKULおよびソロエルアリーナサービスが復旧を進める一方で、個人向けECサイトの「LOHACO(ロハコ)」については、2026年1月中のサービス再開を予定している段階にある 。印刷サービスの「パプリ」や、購買管理システムの「SOLOEL(ソロエル)」、および外部カタログ連携サービスについては、すでに全顧客に向けて通常サービスを提供中だという 。ただし、パプリについては一部の納期に遅延が発生している状況だ 。今回のサイバー攻撃への対応として、同社は2025年12月22日に「アスクルのサイバーセキュリティ」という専用のWebコンテンツを公開した 。ここでは情報セキュリティに対する考え方や、今回の事案を受けた主要な取り組みについて解説している。また、12月12日の第13報にて詳細な調査結果を公表しており、情報流出の対象となった顧客や取引先に対しては、個別の連絡を実施済みである 。流出情報が悪用されるリスクを考慮し、同社は長期的な監視体制を継続するとともに、必要に応じた追加対応を行う方針を固めている。
アスクルは、今回のシステム障害によって利用者や関係者に多大な迷惑と心配をかけたことを改めて謝罪し、一日も早い完全復旧に向けて全社を挙げて取り組む姿勢を強調している。今後もサービスの復旧進捗やセキュリティ対策の実施状況については、継続的に情報発信を行っていく構えだ。
徹底したセキュリティ強化と物流網の段階的な再起動により、アスクルは日常的な利便性の完全奪還に向けた最終局面にあるといえる。





