法人通販の顧客満足度1位にアマゾンやアスクル、たのめーるが選出
2025年7月23日 11時30分更新
J.D. パワー ジャパンが発表した「2025年法人向け通販サービス顧客満足度調査」によると、オフィス部門でAmazon Business、製造/現場部門でASKUL、医療/介護部門ではたのめーるがそれぞれ第1位を獲得した。調査は、事業所のタイプごとに3部門に分類し、通販サービスの利用者から総合的な満足度を1,000ポイント満点で評価したものだ。
部門別に見ると、オフィス部門が669ポイントと最も高く、医療/介護部門は658ポイント、製造/現場部門は656ポイントという結果だった。オフィス部門では、「サポート対応」「配送対応」「料金/請求」といった要素で他部門を上回る評価を得ており、昨年に続き、納期対応や価格設定などの満足度が高い傾向が見られた。こうした背景には、今後進むと見られる物流の高度化やカスタマーサポートの自動化・多様化に対応した利便性と品質の向上があると考えられる。

また、近年注目されているSDGsやサステナビリティへの意識も調査され、半数以上の利用者が「意識して利用している」と回答した。具体的には、「常に意識している」「よくある」「たまにある」の合計が、オフィス部門で56%、製造/現場部門で60%、医療/介護部門で59%となっている。一方で、「特に意識していない」とする回答も約4割を占めており、ユーザー間で意識の差があることも明らかになった。

事業所の規模別では、従業員数の多い大企業ほどSDGsを意識している傾向が強く、持続可能性への対応は特に大企業において重視されている様子がうかがえる。また、関心の高い取り組みとして最も多く挙げられたのは「リサイクル活動(資源回収サービス)」で、オフィス部門48%、製造/現場部門39%、医療/介護部門42%といずれの部門でも最多となった。
さらに、「環境対応商品の取り扱い」や「配送におけるCO2削減」への関心も高く、環境配慮型商品や持続可能な物流の需要が広がっている。製造/現場部門では「環境購買実績の管理機能」への注目が高く、グリーン調達への意識が見て取れる。医療/介護部門では「インクルーシブデザイン商品の品揃え」が重視されており、利用者の多様性や現場の使いやすさを意識したニーズが反映されている。
今回の調査では、以下のような部門別ランキングが発表された。

<オフィス部門(対象9ブランド)>
第1位:Amazon Business(681ポイント)
第2位:ASKUL(674ポイント)
第3位:イー・クイックス(672ポイント)
<製造/現場部門(対象6ブランド)>
第1位:ASKUL(668ポイント)
第2位:モノタロウ(659ポイント)
<医療/介護部門(対象7ブランド)>
第1位:たのめーる(691ポイント)
第2位:Ciモール(674ポイント)
第3位:モノタロウ(668ポイント)
各部門における1位のサービスは、それぞれの分野で5つの評価指標(配送対応、ウェブサイト/カタログ、料金/請求、提供商品・サービス、サポート対応)において高評価を獲得している。中でも「配送対応」は総合満足度に最も影響を与える要素(影響度29%)とされ、安定した物流体制の重要性が再確認された。
この調査は2025年5月にインターネットで実施され、回答者数はオフィス部門で3,226人、製造/現場部門で1,512人、医療/介護部門で1,514人となっている。各部門とも、3名以上の従業員がいる事業所の法人通販利用者が対象である。法人向け通販市場は今後も成長が見込まれており、各社がサステナビリティや利便性の面で差別化を図る中、こうした調査は事業者選びの有力な判断材料として注目を集めそうだ。さらに、業種別のニーズに寄り添った商品構成やサービス提供の重要性も、今後の競争力を左右するカギとなっていくだろう。
参考URL:https://japan.jdpower.com/ja/press-releases/2025_Japan_BtoB_Office_Supply_e-Order_Service_study