レクサスとスバル顧客満足度で首位に―ACSI調査
2025年8月26日 09時00分更新
米国の自動車市場では販売台数が過去5年間で最高水準に達する一方、購入者が長期にわたり高額な支払いを強いられる状況が続いており、顧客満足度の低下につながっている。米国顧客満足度指数(ACSI)が発表した「自動車調査2025」によると、業界全体の満足度は前年比1%減の79点(100点満点)となった。高級車は80点(1%減)、大衆車は79点で横ばいだったが、小規模ブランドは大きく後退し74点へ9%の下落を示した。
今回の調査では、ブランドごとの差が鮮明となった。大衆車市場ではスバルが前年の同点首位から一歩抜け出し、2%上昇して85点でトップに立った。マツダとトヨタはいずれも82点で2位に並び、これにビュイック、GMC、ホンダの81点が続いた。スバルは安全性と信頼性の評価を背景に、フォレスターの刷新やクロストレック高出力エンジンの投入などで販売を拡大している。ヒョンデは3%改善して80点に達した一方、ステランティス傘下のジープやダッジなどは軒並み低迷した。
高級車市場ではレクサスが大幅に順位を上げた。前年首位だったメルセデス・ベンツやテスラを抜き去り、6%上昇の87点で首位に立った。メルセデスは82点で2位、テスラは81点でキャデラックと並び3位に後退した。レクサスはハイブリッド車の好調な販売に支えられ、2025年第1四半期には米国で過去最高の販売実績を記録。特にRXは高級ハイブリッド市場で圧倒的なシェアを確保し、NXやESも上位に食い込んでいる。これに対しアウディは77点(-4%)、BMWは75点(-5%)と大きく後退した。
燃料種別で見ると、ハイブリッドとガソリン車の満足度はほぼ同水準となり、EVは大きく下回った。大衆車ではガソリンとハイブリッドがともに80点、EVは68点まで下落。高級車でも全体的に満足度は低下したが、ハイブリッド(83点)はガソリン(80点)、EV(78点)を上回った。走行距離や将来の再販価値といった新指標では、いずれもハイブリッドが優位に立っている。
調査全体を通じて、走行性能や信頼性といった基本的な指標は依然高いものの、安全性や技術面ではやや低下が見られた。ACSIは、今後の市場環境では品質と価格のバランスを取ることが顧客維持の鍵になると指摘している。自動車メーカー各社にとっては、先進技術の導入と実用性の確保をいかに両立させるかが競争の焦点となりそうだ。
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