米国の顧客満足度が4四半期連続で低下。値上げやサービスの問題が影響
2025年5月16日 10時10分更新

米国顧客満足度指数(ACSI)の最新データによると、2025年第1四半期の全体スコアは前期比0.4%減の77.0となり、4四半期連続の低下を記録した。これはCOVID-19パンデミック以来初めての現象である。過去1年間では1.3%の減少となっており、特に米国郵便、公衆電話、衣料品分野での満足度低下が顕著であった。

ACSIは、顧客満足度が価格上昇やサービス品質の不安定さにより下落していると分析している。GDPとの連動性は今回は限定的で、GDP減少は主に関税引き上げを見越した在庫積み増しによる輸入急増が原因であるとされている。
顧客満足度の低下は需要の減少を招くとされ、特にテレビのサブスクリプションサービス、信用組合、インターネットサービス、銀行、携帯電話サービス、金融アドバイザーなど、顧客満足度の変化が需要に大きく影響する業界でその影響が顕著である。一方、スーパーマーケットやガソリンスタンド、ソーシャルメディアなどでは影響が限定的である。
ACSI創設者のクラエス・フォーネル氏は、過去12年間の企業による投資にもかかわらず、顧客満足度が大きく改善していないことを問題視している。期待と満足度のギャップは一定であり、主因はデータ分析と指標の質の低さにあると指摘した。
ACSIは、顧客満足度の向上には科学的手法と精密な分析の導入が不可欠であり、それが高収益・低リスクのビジネスへと繋がると強調している。
参照:The American Customer Satisfaction Index (ACSI)
https://theacsi.org/the-acsi-difference/us-overall-customer-satisfaction/
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