ITソリューションプロバイダー満足度調査、期待以上の成果が7割超―J.D.Power

2025年10月27日 10時09分更新


 株式会社J.D. パワー ジャパンは、「2025年ITソリューションプロバイダー顧客満足度調査<独立/ユーザー系>」の結果を発表した。調査によると、生成AIを既に導入している企業の割合は前年の2倍となる36%に達した。

また、「AI技術(生成AI等)やビッグデータの活用」を目的にシステムを導入した企業における総合満足度は、調査平均を50ポイント以上も上回る高水準となった。総合満足度ランキングでは、富士フイルムビジネスイノベーションが656ポイントを獲得し、3年連続で第1位となった。

企業における生成AIの導入は急速に進展している。既に導入済みの36%のうち、本格活用している企業は11%、試験導入している企業は25%だった。企業規模別に見ても導入・活用が大きく増加しており、特に大企業では56%と半数を超える企業が既に生成AIを業務に取り入れている状況が明らかになっている。

生成AIの主な利用用途としては「原稿/文案作成」がトップで、「情報収集/企画立案」、「翻訳/要約/議事録作成」、「データ集計・分析」、「社内向けFAQ/マニュアル作成」といった用途で、前年から+7~10ポイント増加した。

AI活用を目的としたシステム導入は高い顧客満足度と成果達成につながっている。AI技術の活用を目的にシステムを導入した企業の総合満足度は691ポイント(1,000ポイント満点)に達し、調査全体平均の637ポイントを大きく上回った。また、これらの企業のうち76%が「期待以上に改善・達成できた」または「期待どおりに改善・達成できた」と回答しており、生成AI活用に向けた取り組みが一定の成果を上げていることがうかがえる。

一方で、全ての企業が期待通りの成果を得られているわけではなく、4社に1社は「全く改善できなかった/達成できなかった」あるいは「あまり改善できなかった/達成できなかった」と回答している。ITソリューションプロバイダーにおいては、生成AIを活用した業務支援ソリューションや導入・運用におけるコンサルティング機能の強化が、今後の競争力強化の鍵となる。また、顧客満足度のさらなる向上には、導入後の運用支援や成果創出に向けた継続的なフォローアップ体制の強化が重要な取り組みと考えられる。

今回の調査における総合満足度スコアの調査全体平均は637ポイントで、前年とほぼ同水準だった。総合満足度に影響を与えるファクターのうち、「営業対応」(影響度39%)、「システム品質」(29%)、「コスト」(17%)が特に影響度が大きい。ファクター別では「導入・構築対応」(前年比+14ポイント)、「障害・トラブル対応」(+9ポイント)で向上が見られた。

総合満足度ランキングの結果(対象7ブランド)

第1位:富士フイルムビジネスイノベーション(656ポイント)
3年連続の総合満足度第1位であり、「営業対応」、「システム品質」、「障害・トラブル対応」の3ファクターで最高評価を得た。

第2位:リコージャパン(652ポイント)
第3位:JBCCホールディングス(637ポイン

調査は、情報システムの導入・構築を外部に委託している従業員数50名以上の企業を対象に、利用状況や満足度を聴取したものであり、今回で28回目の実施となる。

調査結果の詳細はJ.D. パワーの公式サイトにて確認できる。

URL: https://japan.jdpower.com/ja/press-releases/2025_Japan_IT_Solution_Provider_CS_Study

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