大学ランキング2027「海外留学派遣」発表、1位は関西外国語大学

2026年6月15日 09時30分更新


 朝日新聞出版は、各大学の特色を多角的なデータから評価するムック「大学ランキング2027」を発売した。本書では就職実績、資格取得、研究力、高校からの評価など、全96のテーマに沿って作成されており、その中の一つとして2025年度の「海外留学派遣ランキング(学部)」が掲載されている。本ランキングは、各大学の国際化への取り組みやグローバル人材育成の実績を客観的に示す指標として、受験生や教育関係者から高い関心を集めている。近年、多くの大学がグローバル社会で活躍できる人材の育成を掲げてカリキュラムの改革を進める中、この留学派遣実績は大学選びの重要な基準の一つとして位置づけられるようになった。

 このランキングは、留学先の大学で16単位以上を取得し、帰国後に日本の大学で卒業要件単位として認定された学生の数を集計したものだ。4年制大学において卒業に必要な総単位数は128単位が一般的であり、それを半年分の期間に相当する「8」で除算すると16単位となる。したがって、この集計基準は、単なる短期の語学研修や旅行ではなく、目安として半年以上の長期にわたる本格的な留学を経験した学生の実数を示している。集計結果によると、第1位は889人を派遣した関西外国語大学となった。次いで、第2位が610人の早稲田大学、第3位が591人の近畿大学、第4位が390人の法政大学、第5位が389人の立命館大学となっている。上位には、独自の国際プログラムや豊富な協定校ネットワークを持つ大学が名を連ねた。これらの大学では、留学先での手厚いサポート体制や、帰国後のスムーズな単位認定システムが確立されていることが、高い派遣実績に結びついている。

 日本の大学における海外留学派遣者数は、新型コロナウイルス感染拡大にともなう渡航制限の影響を大きく受けていた。2020年度の派遣者数は全国で1,487人まで減少したものの、その後は制限の緩和とともに回復へ向かい、2021年度には1万999人、2022年度には5万8,162人、2023年度には8万9,179人にまで達している。2023年度の国別留学先をみると、第1位がアメリカの1万3,517人、第2位がオーストラリアの9,163人、第3位が韓国の8,384人、第4位がカナダの7,621人、第5位が台湾の5,048人、第6位がイギリスの5,037人となっており、北米やオセアニア、アジア圏への留学が主流となっている。2021年度から2022年度にかけては約4万7,000人増、2022年度から2023年度にかけては約3万1,000人増と順調な伸びを見せており、大学関係者の間では、近いうちに過去最高を記録した2018年度のピーク時(11万5,146人)を超え、史上最多を更新するのではないかとも予測されていた。渡航の安全性が確保され、航空便の運航が正常化したことで、学生たちの海外志向が再び高まったことがこの数字に表れている。

 しかし、足元ではこの増加傾向の伸びが鈍化する兆しを見せている。アメリカ商務省国際貿易局の入国者データによると、2025年における日本人のアメリカ入国者数(留学予定者および滞在者)は、前年から約3,000人減少した。これについて大学関係者らは、トランプ政権による留学生への規制強化やビザ発給制限の方針が、留学を検討する学生やその保護者の心理に影響した可能性を指摘している。また、国際政治情勢や日中関係の影響も影を落としており、日本に留学する中国人学生の減少とともに、中国へ留学する日本人学生の数も相互に減少していくのではないかという懸念が出ている。

 さらに、昨今の急速な円安の進行や物価高騰にともなう経済的負担の増大も、学生が長期の海外留学を躊躇する要因として無視できないものとなっている。こうした不確実な国際情勢や経済環境の変化が高まる中、学生を確実に海外へ送り出し、現地の単位取得までをトータルでサポートできる手厚い奨学金制度や独自の支援体制を持った大学の役割はさらに重要性を増している。単に海外へ行くこと自体が目的化するのではなく、質の高い教育を現地で受け、それを確実に自校の学位へとつなげる仕組みが問われているのではないだろうか。今回上位に名を連ねた各校が、このめまぐるしく変化する国際社会においてどのようなグローバルカリキュラムを展開し、学生の挑戦を支えていくのか、今後の動向が注目される。

参照元:https://dot.asahi.com/articles/-/282938?page=1

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