「経済的ゆとり」ランキング発表。クラシノ調査

2026年6月16日 10時00分更新


 クラシノ株式会社は6月11日、総務省の「全国家計構造調査」を独自に分析した、47都道府県別の「経済的ゆとり」ランキングを公開した。レポートは、2024年に実施された最新データを基に、手取り収入から住居費や食費、光熱費、交通費、教育費などの基礎的な支出を差し引いた1人あたりの経済的ゆとり額を算出したものだ。分析の結果、都会は所得が高いが生活コストも高く、地方は支出が抑えられる一方で世帯構造に差があることが示された。

総合ランキングで1位となったのは福井県で、1人あたりの月間経済的ゆとり額は132,887円だった。2位に栃木県、3位に茨城県と続き、最下位は沖縄県の92,275円で、1位との差は約4万円に達する。福井県が首位となった要因について、クラシノは同県が共働きや多世代同居が多く、世帯内の「有業人員(働く大人)」の人数が他県より多い点を指摘している。個人の賃金水準だけでなく、世帯全体で稼ぐ「チーム力」が1人あたりの収入を押し上げ、結果として高いゆとり額を生んでいる。分析では、世帯人員数による有利・不利を排除するため、世帯人員の平方根で割るOECD等価尺度を採用し、1人あたりの額としてフェアな評価を試みているとのことだ。

一方、1人あたりの可処分所得(手取り)で全国1位の東京都(319,562円)は、経済的ゆとり額では19位に留まった。最大の要因は住居費で、東京都の1人あたり住居費は85,815円と、最安の宮崎県(37,418円)に比べて月5万円近い差がある。高収入という都市のメリットを、膨大な住居コストが相殺している格好だ。

また、交通費に関しては車と公共交通の比較が行われている。地方ではガソリン代や維持費が嵩む一方、都市部は公共交通機関の利用で済むため、トータルの交通コストは都市部の方が安く抑えられる傾向が確認された。同社は、都市部から地方への移住を検討する場合、車両本体の購入費を除いても、月1〜1.5万円程度の追加コストを想定しておくとよいと補足している。

教育環境の選択が生活満足度と将来設計を左右

支出項目の中で特に地域差が顕著に現れたのが、18歳未満の子供1人あたりにかける教育費だ。全国で最も教育費が高いのは奈良県の41,510円で、これに神奈川県、京都府、兵庫県、東京都と、私立校や塾への支出が大きい都市部が続く。最下位の宮崎県(5,024円)とは月間で約3.5万円もの開きがあり、地域の教育環境や文化が家計のゆとりに直接的な影響を及ぼしているという。クラシノは、教育費は住居費とは異なり、親の価値観や子供自身の選択によって変動し得るコストであると分析する。

光熱費についても、冬季の暖房費負担が大きい北国の方が南国より高くなる傾向が見られ、青森県が全国1位となった。こうした地域特有のコスト要因や世帯構造の違いは、住民の生活満足度に直結する「自由になるお金」の多寡を決定づけている。

クラシノは、自分が何に価値を置き何を豊かと定義するかという個人の価値観と、地域の環境をマッチングさせることが、真に豊かな暮らしの実現に不可欠であると結論づけている。

クラシノ株式会社による調査
レポートURL:https://media.kurasino.jp/report/kakeireport

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