NTTが4〜6月期決算を発表、純利益2748億円で増収増益

2026年8月7日 19時39分更新

日本電信電話株式会社(NTT)は2026年8月6日に、2027年3月期第1四半期(2026年4月〜6月期)の連結決算(国際会計基準)を発表した。発表内容によると、売上高にあたる営業収益は前年同期比10.9%増の3兆6177億円、営業利益は同4.9%増の4251億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同5.8%増の2748億円となり、前年同期を上回る増収増益を達成した。営業収益については、第1四半期として過去最高を更新している。通信事業において競合に伴う各種コストが増加したものの、金融領域の急速な拡大や企業・官公庁向けシステム開発の旺盛な需要がグループ全体の業績を力強く底上げする形となった。

セグメント別の実績では、NTTドコモなどを傘下に持つ総合ICT事業が安定した成長を見せた。同事業の営業利益は前年同期比で約3%の増加となった。キャッシュレス決済サービスの利用拡大に加え、2025年10月にドコモが子会社化した住信SBIネット銀行(現ドコモSMTBネット銀行)の連結業績への寄与が大きな増益要因となった。一方で、主力のモバイル通信事業においては過酷な顧客獲得競合に伴う各種販売促進コストや、物価高に起因する人件費などの営業経費が増加傾向にある。通信料収入自体は下げ止まりの兆候を見せているが、膨らむ固定費をいかに抑制し収益性を維持するかが今後の課題である。経営陣は人件費等の高騰に対応するため、運用効率化に向けた具体的な検討を深めていく方針だ。

NTTデータグループを中心に展開するグローバル・ソリューション事業も極めて好調に推移した。同事業の営業利益は前年同期比10%増を記録している。国内市場においては、行政機関のDX推進や民間企業による基幹システム更新投資が活発であり、これら高度なシステム構築案件の獲得が順調に進んだ。さらに、外為市場における円安進行が海外拠点の業績換算上でポジティブに作用し、海外ITサービス事業の増益に寄与した。同社が強みを持つ次世代通信基盤「IOWN」のグローバル展開や、AI活用に向けた広域分散GPU実証環境の整備など、先端テクノロジー領域への投資も並行して加速させている。

2027年3月期の通期連結業績予想について、同社は期初に公表した計画を変更せず据え置いた。通期の営業収益は前期比4.5%増の15兆600億円、親会社所有者に帰属する当期利益は同5.5%減の9800億円を見込んでいる。通期での減益見通しは、前期に発生したデータセンター売却益といった一時的要因による反動減が主な理由である。島田明社長は決算会見にて、ドコモの通信収入回復に手応えを示しつつも、経費高騰への対策を一段と深める必要性に言及した。同社は上限2000億円規模の自己株式取得を順次実施するなど、株主還元と持続的な企業価値向上を推進する構えだ。NTTは金融やITソリューションの成長により通信コストを吸収し、持続的な企業価値向上を目指す。

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