加熱式タバコの最新人気シェア率調査
2024年2月7日 11時24分更新
その結果、喫煙者全体のおよそ36%の方が加熱式たばこを使用しており、さらにアイコス(IQOS)が50%以上のシェアを獲得している一方で、昨年結果と比較すると、グローやプルームXのシェア率も増加していることがわかった。
調査背景
年々喫煙率が低下していくなかで、紙巻きタバコから匂いが少ない加熱式タバコへの乗り換えをすすめる喫煙者が増えている。
日本経済新聞社によると、たばこの国内販売に占める加熱式たばこの出荷額は37%となり、市場シェアを前年同期比4ポイント伸ばしている結果となっている。
(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC312KC0R30C23A8000000/)
また、加熱式たばこ市場では、日本で最初に加熱式タバコを発売した「アイコス」が圧倒的なシェアがあると言われているが、後発ブランドである「グロー」や「プルームX」が、低価格の新型デバイスの発売や、販売促進策を積極的に行っている。
特に近年では、たばこ税が増税されタバコの価格が上がる中、逆に後発の加熱式タバコでは値下げが相次ぎ、また本体デバイスの割引なども頻繁に行われるなど、競争が激化しており、加熱式タバコ市場のシェア率がどう変化しているのかも気になるところだ。
そこで今回は、喫煙者の中で加熱式タバコを実際に使っている方がどのくらいいるのか調査するとともに、加熱式タバコを使っているユーザーに対して、どのブランドを使っているか回答いただき、それぞれのシェア率を調査した。
【調査結果】全喫煙者の中の加熱式たばこシェア率は約36%
現在タバコを吸っていると回答した11,826人に対して、現在どんなタバコを最も良く吸っているか選んでもらい、喫煙者の中での加熱式タバコ利用シェア率調査を行った。
結果、喫煙者の中での加熱式タバコ利用シェア率は、36.37%という結果となった。
紙巻きタバコ:61.8%(7,317)
加熱式タバコ:36.37%(4,301)
VAPE(ニコチンの入っていない電子タバコ):0.85%(101)
葉巻:0.22%(26)
嗅ぎたばこ:0.16%(19)
噛みたばこ:0.08%(10)
その他:0.44%(52)
()内は得票数。
タバコ出荷額と同様、ユーザー数においても約3人に1人は、加熱式タバコを使っている結果となっている。
30代の加熱式タバコ利用率は約半分。20代女性の利用率は6割以上。
年代別で最も加熱式タバコの利用が多かったのは30代で、約49.9%と喫煙者全体のちょうど半分を占める結果となっていた。
さらに、年代性別で最も加熱式タバコの利用が多かったのは20代女性で、その割合は約61%と、ほぼ3人に2人が加熱式タバコを選んでいる結果となった。
匂いの少なさや、火を使わず灰が出ない、紙巻きに比べて周囲へ迷惑をかけにくいといった加熱式タバコのメリットに敏感な年齢層ほど、利用率も高い結果となった。
【調査結果】加熱式タバコブランドのシェアはアイコスが人気トップ
喫煙者の中で、加熱式タバコを使っていると回答した4,301人に対して、どのブランドの加熱式タバコを吸っているか?複数使っている場合は、最もよく吸っているブランドを1つ選んでもらい、人気加熱式タバコのシェア率の調査を行った。
結果、加熱式たばこメーカー各社の実際のシェアは以下のようになった。
アイコス:51.71%(2,224)
グローハイパー:25.9%(1,114)
プルームX:13.65%(587)
ウィズ2/プルームテックプラスシリーズ:4.02%(173)
グロープロシリーズ:2.19%(94)
リルハイブリッド:0.51%(22)
その他:2.02%(87)
※()内は得票数。
このうち、上位3つであるアイコス・グローハイパー・プルームXのシェア率と、昨年同時期に調査したシェア率の推移を紹介する。

アイコスシェア率
2023年 58.68%
2024年 51.71%
増減比 -6.97%
※2023年はアイコスイルマとアイコス3以前機種の合算値
フィリップモリス・ジャパン(PMJ)が発売する加熱式タバコ「アイコス(IQOS)」のシェア率は51.71%と、加熱式タバコのシェアでは過半数を超えるトップの座を維持している。
アイコスは、増減比だけを見ると昨年度の調査結果に比べ約7%下がる結果となったが、日本で初めて加熱式たばこを発売したブランドとして、依然としてユーザーの人気が高く、高いシェアを誇っていることがわかる。
◾️グローハイパーはシェア伸長。昨年から約8%増
グローハイパーシェア率
2023年 17.85%
2024年 25.9%
増減比 +8.05%
※2023年12月までに発売されたグローハイパーシリーズ各機種の合算値
ブリティッシュ・アメリカンタバコジャパン(BAT)が発売しているグローハイパは25.9%とと、昨年度の調査結果と比べると8%以上シェア率を伸ばす結果となっている。
2023年には新機種となるグローハイパーエアやグローハイパープロを立て続けに発売し話題を作った。
さらに対応するたばこも8~10月に値下げを行い、全銘柄が500円以下で買える価格設定を行なっている。
特に1箱400円のラッキーストライクは、加熱式タバコの中で最も安い銘柄になっており、コスパに敏感なユーザーが反応し、シェアの上昇に繋がったと推測される。
プルームXもシェア伸長。昨年から約4%増 日本たばこ産業(JT)が発売するプルームXシリーズも13.65%と、昨年度の調査結果と比べるとシェア率を4%伸ばす結果となった。 プルームXも2023年3月に、対応するたばこの「メビウス」を一箱570円から500円に値下げし、全銘柄が500円となり、コストパフォーマンスを重視した販売促進策を行っている。 さらに2023年11月末には、吸いごたえのアップや一部機能を改良した新機種プルームXアドバンスドを投入し、新規ユーザーの注目を集めている。
プルームXシェア率
2023年 9.57%
2024年 13.65%
増減比 +4.08%
※2023年はプルームXとプルームS(販売終了品)の合算値
※2024年はプルームXと改良機種プルームXアドバンスドの合算値
今回のアンケートではシェア率と合わせて、加熱式タバコが紙巻きたばこの代わりになるのかユーザーの満足度の調査を行った。
加熱式タバコを吸っている人に、現在吸っている加熱式タバコへの評価について、1つ選んでもらった。
得票率(得票数)
味や使い方など最初から満足で今後も吸い続ける 58.15%(2,501)
味や使い方など最初は不満はあったが今は満足で今後も吸い続ける 20.46%(880)
味や使い方など満足はしていないが大きな不満もないため吸い続けている 16.02%(689)
味や使い方に不満があり紙巻きなど他のタバコと併用しながら使っている 2.44%(105)
味や使い方に不満があり今後使用をやめることを検討している 2.93%(126)
この結果、加熱式タバコを使っている約95%の人が今後も吸い続けると回答し、不満があり紙巻きタバコを併用する、あるいは使用をやめることを考えている人は5%ほどしかいないことがわかった。
半数以上の方は最初から味や使い方に満足しており、残る方もなんらかの不満がありながら吸い続けると回答している。
加熱式たばこは、加熱式タバコは煙の代わりに蒸気を発生し、紙巻きタバコと味や香りがやや異なるが、ハームリダクションの観点から、紙巻きたばこに代わる選択肢として注目されている。
実際に使うユーザーから見てもこれが有効に機能していることがわかる。
最近では加熱式たばこの専用喫煙室も増えるなど、紙巻きたばこが吸えない喫煙環境の変化もあり、加熱式たばこが紙巻きたばこの代替手段として、今後も注目されることが想定される。
喫煙者の中での加熱式タバコ利用シェア率は、36.37%という結果になりました。たばこに占める加熱式たばこが、一定の存在感になっていることがわかる。
さらに加熱式タバコ利用者を年代別でみると、20代女性では約61%、30代全体では約49.9%と喫煙者全体のちょうど半分を占めており、若い世代の喫煙者ほど、加熱式タバコ利用割合が多いことがわかった。
加熱式タバコブランドのシェアはアイコスが51.71%で人気トップの座を維持している。しかし、後発ブランドであるグローハイパー、プルームXも、昨年度の調査結果と比べるとどちらもシェア率を伸ばしており、新機種の発売や低価格を重視した販売促進策が奏功しているものと思われる。
調査概要
調査方法:アイブリッジ株式会社のセルフ型ネットアンケートツール「Freeasy」
母集団:48,000名
調査対象:喫煙者であると回答した全国の男女(20~70歳)
有効回答数:11,826名
実施日:2024年1月12日(金)
調査実施:有限会社オーバーロード
※集計方法 無作為に抽出された48,000名を対象にスクリーニングを実施、喫煙者であると回答した11,826名に本調査を実施。
記事詳細はこちら:https://relazo.net/tabaccoshare2024/