大阪万博、来場者7割超が満足と回答ー三菱総研調査
2025年7月1日 09時00分更新
2025年大阪・関西万博は、開幕から約1ヶ月半が経過した5月、来場意向が全国的に急上昇し、実際に来場した人の7割以上が満足しているという調査結果が、株式会社三菱総合研究所より発表された。同研究所は、万博開幕後の5月に全国3,000人を対象とした意識調査と、5月13日までに来場した500人に対する満足度調査を実施し、その結果を比較・分析している。
今回の調査で明らかになったのは、万博に対する期待値の高さと、若年層を中心とした熱気の高まりである。万博に「行きたい」または「すでに行った」と回答した人は、全国で33.7%に達し、前回調査(2024年10月)の24.0%から9.7ポイントも上昇した。特に、京阪神圏では前回調査から15.4ポイントも上昇し、51.7%と半数を超える人が来場に意欲的であることが示された2。年代別では、20代の来場意向が41.8%と最も高く、若年層ほど万博への関心が高い傾向が見られた。
注目すべきは、来場者の高い満足度である。5月13日までに万博を訪れた人々の満足度(「大変満足」+「満足」)は、全体で73.0%、「大変満足」の割合も30.3%と他の地域(首都圏21.0%、中京圏20.0%)より高い結果となった。
年代別では、20代が特に高い満足度を示しており、「大変満足」と「満足」を合わせた割合は81.9%に達し、「大変満足」も33.1%と他の年代と比べて最も高いという結果が出ている。このデータは、若年層が万博で充実した体験を得ていることを強く示唆している。

一方で、来場をためらう要因も明らかになった。来場意向があるもののまだ訪れていない層に尋ねると、「混雑や行列に関する不安」が最も多く、次いで「チケットの価格が高い」「会場でお金がいくらかかるか分からない」が上位に挙がった2。特に遠方からの来場者や、比較的年齢層の高い層では、これらの不安解消が今後の課題として挙げられている。
万博が社会に与える影響についても期待が寄せられている。来場者は、万博をきっかけに「新しい技術や商品・サービスが生まれる」ことや、「人々の海外への興味・関心が高まる」こと、「様々な国や企業間で新しい協力や連携が生まれる」ことなどを期待している。
三菱総合研究所は、こうしたレガシーを実現するためには、より多くの人が現地で万博に直接触れる機会を作り、引き続き充実した体験を提供することが重要であると分析している。既に混雑緩和のための様々な施策が講じられており、その内容や効果に関する認知を広めることが、さらなる来場促進に繋がると提言されている。
今回の調査結果は、2025年大阪・関西万博が、開幕後に順調に機運を高め、来場者に高い満足度を提供していることを示している。今後の課題である混雑や費用に関する不安を解消し、より多くの人々が万博の魅力を体験できるような取り組みが継続されれば、万博は社会に大きなレガシーを残すことができるだろう。