トヨタのミニバン人気 2025年10月新車販売ランキング
2025年11月26日 11時00分更新

株式会社日本自動車販売協会連合会は2025年11月6日に2025年10月の乗用車ブランド通称名別新車販売台数ランキングを発表した。日本自動車販売協会連合会が公表した2025年10月の新車販売台数ランキングは、前月に引き続きトヨタ車が上位を独占し、特にミニバン勢が大きく順位を上げたことが特徴だ。1位から4位までは変動がなかったものの、高級ミニバンの「アルファード」と「ヴェルファイア」が揃って急上昇するなど、ランキング全体で大きな動きが見られた。


この10月は、ジャパンモビリティショー2025が開催され、数多くの新型車やコンセプトカーが注目を集めた月だ。スズキ「クロスビー」や三菱「デリカ」、日産「アリア」、スバル「ソルテラ」といった現行モデルの改良車や新型電動SUVのほか、日産の新型「エルグランド」や全長5.3mの大型SUV「パトロール」の日本導入、ホンダのコンパクトEV「スーパーワン」や「ゼロ アルファ」などが初公開された。中でも、世界初公開となったトヨタの「ランドクルーザーFJ」や中国BYDの軽スーパーハイトワゴンは業界内で大きな話題を呼んでいる。他にもスズキ「ジムニー」の一部改良モデルや、日産「クリッパーバン」の車中泊モデルなど、様々な新モデルが発表された。
多くの新型車やコンセプトカーが展示されたにもかかわらず、販売台数ランキングの上位は現行モデルのトヨタ車が圧倒的な強さを見せつけた。販売台数17,000台超えでトップを独走しているのは、引き続きトヨタの「ヤリス(ヤリスシリーズの合算値)」だ。前年比も101.3%と安定した推移を見せている。続く2位もトヨタ「カローラ(カローラシリーズ)」が堅持した。前年比は80.4%とやや落ち込んでいるが、3位とは約2,000台の差があり、当面はこの順位が揺らぐことはないだろう。3位には順位が安定してきたトヨタ「ライズ」がランクインし、前年比94.6%と堅調だ。4位には先月から引き続き「ルーミー」が入り、ダイハツOEMモデルの強さを示している。
特に注目すべきは、5位に急上昇したトヨタの高級ミニバン「アルファード」だ。前月の9位から一気に浮上し、兄弟車である「ヴェルファイア」も24位から20位へと順位を大きく上げた。この2車種の販売台数を合わせると11,000台を超え、2位の「カローラ」に迫る勢いである。生産体制の安定化が要因とみられ、前年比もそれぞれ120%程度と、高価格帯の車種としては異例な好調ぶりを示している。また、6位にはトヨタ「シエンタ」がランクインし、先月シエンタを下回ったライバルのホンダ「フリード」は8位に後退した。このコンパクトミニバン市場ではトヨタとホンダの争いが激しいが、販売台数差が500台を超えており、シエンタが優位に立っている状況だ。7位には「ノア」が、9位には兄弟車の「ヴォクシー」がそれぞれ順位を上げ、この2台の合計販売台数は15,000台を超え、「ヤリス」に肉薄する勢いとなっている。10位にはホンダ「ヴェゼル」がランクインしたが、トヨタのミニバン勢の攻勢に押され、順位はやや下降したものの、前年比133.2%と依然として高い人気を維持している。これにより、10位以内はすべてトヨタ車かホンダ車という結果になり、特にトヨタのミニバンがランキングを席巻し、再び「トヨタ一強」の構図が鮮明になった。

10位以下のランキングでは、11位に日産「ノート」が降格した。順位の変動が激しく、前年比も72.1%と下降傾向にあるため、今後の商品改良が待たれるところだ。12位にはトヨタ「クラウン」が着実に順位を上げ、4種のバリエーションによる連合販売で高い台数を維持している。最も大きな動きを見せたのは、13位にランクインしたトヨタ「RAV4」だ。前月の30位から大幅に上昇しており、すでに新型モデルの公開がされているにもかかわらず、モデル末期となる現行型への駆け込み需要が加速している可能性が高い。前年比も159.4%と、現行モデルの人気の高さを示す異例の数値だ。
日産は、14位に「セレナ」が降格し、「ノート」とともに厳しい状況にある。20位以内に他の日産車は入っておらず、新型「エルグランド」の市場投入が巻き返しの鍵となるだろう。15位にはスズキ「ソリオ」がランクインし、前年比123.7%と好調を維持している。16位はスズキ「ジムニー」で、前月からは順位を下げたものの、前年比240%と非常に好調だ。これは5ドアモデルの納入が進んだ影響とみられる。17位にはホンダ「ステップワゴン」が引き続きランクインし、前年比157.9%と好調を維持して地位が安定しているようだ。18位にはトヨタ「ランドクルーザー」が入り、今後「ランドクルーザーFJ」が発売されれば、さらにランキングの状況が変わる可能性がある。19位にはトヨタ「プリウス」が順位を上げたが、前年比は40.1%と厳しい状況だ。
2025年10月の新車販売ランキングは、トヨタのミニバン勢が猛烈な追い上げを見せ、トヨタ車が上位を独占する展開へと回帰した。





