モバイルSuicaが初の総合1位。スマホ決済サービスランキング
2023年9月4日 11時45分更新
株式会社oricon MEは、『スマホ決済サービス』についての満足度調査を実施し、2023年9月1日にその結果を「オリコン顧客満足度(R)」公式サイト内にて発表した。
TOPICS
■ 総合1位は初【モバイルSuica】 「決済のしやすさ」でとくに高評価
■【 PayPay】が総合2位 10~40代で高評価、 【楽天ペイ】が総合3位 「機能の充実さ」で高評価
~ 利用実態調査 ~
■スマホ決済サービス利用者 年代で差はみられず
■給与デジタル払い 「利用したい」「どちらかというと利用したい」 全体で16% 学生は43%
■給与デジタル払い 不安な点は 「通信障害」29% 、 「現金化の方法」24%
■ 災害時の備えとして大事だと思うこと 「モバイルバッテリーの携帯」56%
『スマホ決済サービス』の満足度調査は、2020年から開始し今回で4度目となる。QRコード、バーコード、非接触型決済などのスマートフォンを利用したキャッシュレス決済(以下、スマホ決済サービス)を1週間に1回以上利用する人で、1ヶ月以上継続利用している人を対象に、最もよく利用しているスマホ決済サービスについての満足度をインターネットにて調査した。事前調査や企業ヒアリングをもとに、サービスに適した評価項目を設定し、各項目について満足度を聴取した。結果を集計し規定の回答者数を満たした企業について、「総合」「評価項目別(全6項目)」「部門別(男女別、年代別)」にランキングを発表している。
今回の調査では、 給与のデジタル払いが2023年4月から解禁になったことや、 関東大震災から100年となる『防災の日(9月1日)』 にちなんだ利用実態調査も行った。
総合1位は初【モバイルSuica】 「決済のしやすさ」でとくに高評価
結果、総合1位は【モバイルSuica(東日本旅客鉄道株式会社)】となった。同社は、年々順位を上げ、今回初めて総合1位の受賞となった(2020年:10位、2021年:3位、2022年:2位)。また、全6つある評価項目のうち、今回初の発表となる「決済のしやすさ」で1位、得点は80点台で2位と2.8ptの差をつけている。このほか、「アプリの使いやすさ」でも【楽天Edy(スマートフォン非接触決済)〈楽天Edy株式会社〉】と同点で1位となった。
男女別では、「男性」では単独で、「女性」では【楽天ペイ(楽天ペイメント株式会社)】と並んで1位となり、年代別では、「40代」では【PayPay(PayPay株式会社)】と並んで、「50代」では単独で1位となった。
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~モバイルSuica 利用者の声~
お会計が楽。カードのSuicaを元々使ってましたが同じように使えるのではじめるのも楽でした(女性/30代)
手軽で使いやすく、単純なシステムも利便性の高さとして納得しています(男性/40代)
スマホだけでチャージできる。金額を指定してチャージできる(男性/50代)
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【PayPay】が総合2位 10~40代で高評価、【楽天ペイ】が総合3位 「機能の充実さ」で高評価
そのほか、評価項目別ランキング、部門別の男女別、年代別ランキングをそれぞれ見てみると、総合2位の【PayPay】が2項目(「キャンペーン・ポイント」「サポート体制」)、「10・20代」「30代」「40代」で1位を獲得。総合3位の【楽天ペイ】が1項目(「機能の充実さ」)、「女性」「60代以上」で1位を獲得した。
・利用実態 調査結果
・スマホ決済サービス利用者 年代で差はみられず
満足度調査と同時に、スマホ決済サービスの利用実態についても調査した。
回答者数4,396人のうち、年代比率に大きな偏りは見られなかった。
給与デジタル払い 「利用したい」「どちらかというと利用したい」全体で16% 学生は43%
スマホ決済サービス利用者に対して、2023年4月から始まった給与デジタル払い(銀行口座への振込ではなく、決済アプリや電子マネーで、給与を受け取ることができる仕組み)について聞きいた。
公正取引委員会が2020年に発表した調査報告書(※)によると、約4割の消費者がコード決済サービスのアカウントに賃金の一部を振り込むことを検討すると回答している。一方、今回の調査で給与デジタル払いの利用意向をたずねたところ、「利用したい」「どちらかというと利用したい」合わせて16%という結果となった。職業別でみると、学生が最も積極的で43%、自由業・フリーランスが最も消極的で10%という結果となっている。
(※公正取引委員会「QR コード等を用いたキャッシュレス決済に関する実態調査報告書」
給与デジタル払い 不安な点は「通信障害」29%、「現金化の方法」24%
利用意向の設問で「どちらともいえない」「あまり利用したくない」「利用したくない」と回答した人に最も不安に感じる点を聞いたところ、「通信障害による利用停止(図中略称:通信障害)」が29%と最多で、「現金化の方法がよくわからない(現金化の方法)」が24%となった。このほか、「1つの決済サービスに振り込まれると他の決済サービスを併用しにくい(ほかとの併用)」が18%、「決済サービス自体の障害による利用停止(サービスの障害)」が13%で、「不正利用されていたり微減していても、ポイントの感覚で気付きにくい(不正利用)」「ほしい物やサービスがデジタル給与対象の決済に対応していない(サービス非対応)」と回答した人は10%未満だった。
スマホ決済サービスの利用者の84%を占める、給与デジタル払いに消極的な人の主な懸念は、システムの信頼性や利用の柔軟性に関連しており、それに対する改善策や十分な情報提供が必要であることが示唆される。
災害時の備えとして大事だと思うこと 「モバイルバッテリーの携帯」56%、「現金・小銭」50%
関東大震災から100年となる『防災の日(9月1日)』に際し、災害時の備えとして大事だと思うことを複数回答で聞いたところ、「モバイルバッテリーの携帯」が最多の56%。決済方法に着目すると、「現金・小銭」が50%と多くの回答があった一方、「スマホ決済アプリのチャージ」は16%、「複数のスマホ決済アプリへの登録」は9%とスマホ決済サービス関連は低い結果だった。スマホ決済サービスは機種やアプリ、設定によってはバッテリーが切れた状態でも利用可能なため、災害時においても有用であると考えられるが、災害時の備えとしては浸透していないようだ。