中国リテールバンキング、トレンドはやはりオンライントレード商品

2014年9月8日 10時57分更新


・交通銀行が808ポイントを獲得して第1位

・僅差の2位に上海浦東発展銀行

・35~49歳のリテールバンクの顧客の満足度にインターネットファイナンスが影響を与えている

 
 
 J.D.パワーは2014年の中国のリテールバンキングの顧客満足度を調査し、その結果を発表した。当調査は「取引チャネル」「商品」「口座情報」「施設」「手数料」「問題解決」の6つのファクターを設定して、調査された。

 全体の満足度では753ポイント(1,000ポイント満点)と、2013年(761ポイント)から比較的安定はしているが8ポイント低下した。ファクター別に見ると、満足度は全てのファクターで低下しており、特に下げ幅が顕著なのは「手数料」(-18ポイント)と「商品」(-11ポイント)だった。しかしながら「取引チャネル」のサブファクターである「携帯端末」(834ポイント)のみが7ポイント向上しており、携帯端末による取引は比較的新しい方法にもかかわらずリテールバンクの顧客の間で利用が増加しているためと見られる。

 個別のランキングでは、1位は交通銀行(808ポイント)。「取引チャネル」と、「施設」、「口座情報」で評価が高かった。第2位は上海浦東発展銀行(802ポイント)が入った。上海浦東発展銀行は「問題解決」で評価が高かった。

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 なおトレンドとしては、やはりオンライントレード商品。中国のリテールバンクの顧客の間で、61%がオンライン金融商品を利用している、との結果が出ている。なおJ.Dパワーは「購入しやすさと購入制限がないことから、顧客は貯蓄をオンライン金融商品に移行している傾向が見られる」と分析している。

 中国でも富裕層は35~49歳といった比較的若年層と言われる層にも増えてきている。こういった層の満足度はやはりモバイルを中心としたオンライン取引、オンライン金融商品の充実が重要になっているのは世界共通の流れだと思われる。

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