新電力の勢力図に変化、価格からポイント経済圏へ
2026年4月3日 10時00分更新

株式会社イードは2026年3月31日、新電力の利用者を対象とした満足度調査「新電力アワード2025」の結果を発表した。電力自由化から10年を迎え、物価上昇が生活を直撃するなか、消費者が電力会社に求める価値が単なる低価格から付加価値を含む総合的な顧客体験へとシフトしている。
調査は2026年2月20日から3月16日にかけて、自ら電力会社の選定に関与し、現在「新電力(旧一般電気事業者以外の小売電気事業者)」を利用している全国の20歳から69歳の男女6051人を対象に、インターネット上で実施された。

総合満足度で最優秀賞に選ばれたのは、TGオクトパスエナジーが展開する「オクトパスエナジー」だった。同社は「料金の納得感」部門でも最優秀賞を受賞したほか、単身世帯を対象とした総合満足度でもトップに立った。一方で、同居家族がいる世帯では西部ガスが総合満足度1位となるなど、居住形態やライフスタイルによってユーザーが重視するポイントに差異が見られる結果となった。
利用者が現在の新電力会社を選択した理由を分析すると、上位には「電気料金の安さ」や「魅力的な料金プラン・割引」が並ぶ。しかし、注目すべきは「ポイントが貯まる・使える」ことや「キャンペーンの内容」を重視する声も多く見られる点だ。新電力市場には通信事業者なども積極的に参入しており、スマートフォンの料金プランとのセット割や、日常的に利用するポイント経済圏との連携が、強力な選択基準となっている。
約7割が継続を希望、信頼性とUXが今後の鍵を握る
ブランドの信頼性においては、大阪ガスや東京ガスといった大手ガス系企業が最優秀賞と優秀賞を占めた。長年のインフラ提供実績が、新電力サービスにおいても安心感として機能している。一方、サービスを使い続けたいという「継続意向」では、シン・エナジーやオプテージが提供する「eo電気」が高い評価を得ている。
調査結果によれば、新電力の利用期間が5年以上に達するユーザーは48.4%に上り、今後も継続して利用したいと考える割合は69.3%と高い水準にある。一度契約を切り替えたユーザーは、その利便性や経済的メリットを実感すれば、長期にわたって定着する傾向があるといえる。
電力自由化から10年という節目を迎え、新電力は認知の段階から選別の段階へと移行した。今回の調査元であるイードが販売する詳細レポートでは、アプリの使いやすさや知ったきっかけなども分析対象となっており、今後はデジタル接点におけるUXの質が、顧客満足度を左右すると予想される。
出典:株式会社イード「新電力アワード2025」
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