ヤマト宅急便、10/1値上げ IT化と効率化で未来へ
2025年5月7日 11時50分更新
ヤマト運輸の主力サービス「宅急便」が、2025年10月1日から運賃を改定する。実に27年ぶりの全面改定となる今回、その背景には経済と社会の大きな環境変化がある。配送現場はかつてない厳しい状況に直面し、日本全体で深刻化する人手不足は労働力確保を困難にする。加えて、事業税増税や社会保険適用範囲拡大といった社会制度の変更も影響している状況。こうした環境変化に対応し、宅急便ネットワークの維持・発展、そして担い手である社員の健全な労働環境を守るため、今回の運賃改定に踏み切ったという。
運賃改定と合わせて、同社は宅急便の進化と働き方改革を加速させる計画だ。人員増強や負担軽減のためのIT化や自動化への投資を強化をおこなう。オープン型宅配ロッカーの普及拡大も積極的に進める方針だ。基本運賃の値上げと適用サイズの一部変更が主な内容については下記の通り。法人利用者との契約運賃についても、持続可能な取引に向けた見直しをお願いしていくという。


運賃改定と同時に、集配業務の効率化に協力する顧客向けの新たな割引制度とサービスも導入される。まず、デジタル送り状を利用する顧客には「デジタル割」を新設。これにより、荷物送付時にクロネコメンバーズの受取人へお届け予定が事前に通知され、受け取りやすさが向上。割引額は非加入者・メンバーズ問わず50円。さらに、発送時に直営店での受け取りを指定する「宅急便センター直送サービス(仮称)」も新設され、こちらも運賃が50円割安になる。既存の「持込割」も拡充。直営店への持ち込みで100円割引だが、クロネコメンバーズの場合、コンビニエンスストアでの持ち込みでさらに150円割引が加算され、合計250円割引となる。クロネコメンバーズであれば、これらの新割引・サービスと既存の割引(10~15%割引)を組み合わせることで、よりお得に宅急便を利用できる。例えば、すべて利用した場合、メンバーズは基本割引に加え200円から250円の追加割引が得られる。

また、セールスドライバーの負担軽減のため、サービス内容の一部変更も実施される。2025年6月19日から、「お届け時間帯指定」の枠が見直される。これまでの6区分から5区分へ変更。具体的には、「12時~14時」の指定枠が廃止され、「20時~21時」の指定枠は「19時~21時」に変更となる。時間帯指定のない荷物は、これまで通り8時から21時の間でお届けされる。
今回の改定やサービス変更は、宅急便ネットワークを未来にわたって維持しさらに進化させていくための必要なステップとしている。社員がいきいきと働き続けられる環境整備を第一とし、IT化や効率化投資を進めることで、変化する時代に合った、より便利で暮らしやすい世の中を支える宅急便を目指す方針だ。
参考元:https://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/ad/1001/pdf/1001_ad.pdf