米国EV市場でTeslaがトップをキープ、欧州メーカーもシェアを拡大
2023年10月18日 10時00分更新
米国BEV市場動向に関して、カウンターポイント社リサーチアナリストAbhik Mukherjee氏は以下のように述べている。
「これまでの勢いを保って、米国の自動車産業は2023年第2四半期も右肩上がりだった。乗用車全体の出荷は前年同期比16%と急上昇した。BEV販売はさらに好調で、その背景には、EV減税と消費者の環境問題への意識の高まりが追い風になっている。米国メーカーであるTesla、GM、Ford、Rivian、Lucid、Karmaなどは、BEV出荷総台数全体のほぼ3/4を占めている。米国で事業をしている海外メーカーでは、欧州のメーカーが最もシェアを獲得しており、その次を韓国、日本が続く。こうした海外メーカー、例えばHyundai Kia、Volkswagen Group、Mercedes-Benz、BMW、Volvo、Toyota、Subaru、Jaguar、Land RoverのBEV出荷は、前年同期比で100%以上増の約81,000台に急増している。」
出典:カウンターポイント社USA Passenger Electric Vehicle Model Sales Tracker, Q2 2023
※四捨五入を採用しているため、合計は100にならない可能性があります。
米国市場のベストセラーBEVトップ5車種のうち、TeslaのModel YとModel 3が55%を占め、Rivian R1Tがベストセラー第3位に躍り出た。Rivianは2021年後半に最初の車種を発売して以来、トップ5入りするのはこれが初めて。
出典:カウンターポイント社USA Passenger Electric Vehicle Model Sales Tracker, Q2 2023
米国BEV市場の見通しに関して、カウンターポイント社リサーチディレクターJeff Fieldhack氏は次の通り述べている。
「現在の成長軌道が維持されると仮定すれば、2023年末には米国市場におけるBEV出荷は年間100万台を超えるだろう。しかし、在庫が増えていることが自動車メーカー各社の足かせになりそうだ。北米全体で各社のEV関連投資が急増しており、それらの投資は、EV生産ラインの立ち上げ、部品、電池、充電インフラに費やされている。その額はすでに1,000億米ドルを超えている。ほとんどのEVメーカーは新モデルの発売や既存モデルのアップデートを2024年に向けて準備中である。積みあがる在庫に対応するには、自動車メーカー各社は価格を下げるか、生産を絞らないといけない。いずれにしても財務に悪影響が出る。」