クラウドストレージサービス顧客満足度第1位はGoogle ドライブ、満足理由はデータ保存容量の大きさ

2020年6月8日 11時34分更新


 株式会社 ICT総研 (東京都千代田区)は6月8日、クラウドストレージサービスの市場動向に関する調査結果をまとめた。この調査は、クラウドストレージサービス運営会社・関連企業への取材結果に加え、インターネットユーザー4,408人へのWebアンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析したもの。Webアンケート実施は2020年5月8日~13日。

■ クラウドストレージサービス利用者は2022年度に5,561万人、市場規模は857億円へ拡大

 コンシューマーがパソコンやスマートフォンに保存する写真、動画、音楽などのデータ容量は増加傾向にあり、これらの保存に適したクラウドストレージサービスの市場が拡大を続けている。ICT総研の調査・推計では、2018年度(2019年3月末)に4,684万人だった日本国内の個人向けクラウドストレージサービス利用者は、2019年度に4,962万人となり、2022年度には5,561万人へと増える見込みだ。このうち有料サービスの利用者数は、2019年度で1,391万人に達し、2022年度に1,601万人へと増加する。

 さらに、有料サービスの利用者が増加することで、個人向けクラウドストレージサービスの市場規模は2019年度で776億円、2022年度には857億円に拡大する見込みである。

■ Google ドライブが利用者数トップ、iCloud drive、Dropbox、Microsoft OneDriveが続く

 ICT総研ではクラウドストレージサービスの利用実態を把握するため、2020年5月にインターネットユーザー 4,408人へのWebアンケート調査を実施した。その結果として、クラウドストレージサービスの中で最も利用者数が多かったのは、Google ドライブで1,000人、次いでiCloud drive(アップル)が846人、3位はDropboxで572人、Microsoft OneDriveが4位で560人だった。前回(2018年9月)の調査ではiCloud driveがトップだったが、今回はGoogleドライブが1位に躍進した。Androidスマートフォンを利用するユーザーが増えたこともその一因であろう。
 この他、Evernoteが5位で247人、Amazon Driveが179人という回答結果となった。多くのユーザーは複数のサービスを併用して使い分けているが、今後はサービスの取捨選択が進み、大手事業者のシェアがさらに高まると思われる。

■ クラウドストレージ有料サービス利用者は14.2%、11.5%が今後有料サービスの利用を検討

 クラウドストレージサービス利用者のうち、「有料サービスを利用している」と回答した利用者は14.2%であった。また、「今後は有料サービス利用を検討する」と回答した利用者は11.5%で、「今後も無料サービスを利用する」と回答した利用者は63.9%に達している。クラウドストレージサービスはデータ容量が5〜15GB程度まで無料で利用できるものが多く、開始当初は無料プランで利用を始めるユーザーが大半である。その後、保存容量が増えると有料サービスに移行するという使い方が一般的で、有料利用者は年々増加する傾向にあるようだ。

■ 顧客満足度1位はGoogle ドライブ、2位はDropbox、3位にiCloud drive

 クラウドストレージサービスの顧客満足度アンケートでは、Google ドライブが最も満足度ポイントが高く75.1ポイントを記録した。続いてDropboxが72.0ポイントで2位、iCloud driveが70.8ポイントで3位、Microsoft OneDriveが69.5ポイントで4位となった。5位はAmazon Driveで66.6ポイント、以下Evernoteが65.9ポイントと続いている。

 アンケート結果によれば、満足度の高い事業者のサービスは、「データ保管容量が大きい」「ユーザーインターフェースが良い」「データの共有がしやすい」といった点が評価されている。
 サービス利用者がクラウド上に保管しているデータ量を見ると1〜10ギガバイトが全体の43%、1ギガバイト未満が20%となっている。10ギガバイト以上が19%であった。データ量は昨年と比べて増加しており、今後も増加傾向は続きそうだ。

■ クラウドストレージサービスに満足する理由の1位はデータ保存容量の大きさ

 クラウドストレージを仕事で利用している人は、「データ保存容量が大きい」ことや「運営会社が信頼できる」ことを満足している理由として挙げている。「セキュリティが充実している」ことや「操作がしやすい」「データ共有がしやすい」ことも重要な指標となっているようだ。


 
 リモートワークの機会が増えていることからクラウドストレージサービスを仕事で利用するユーザーも増加傾向にあり、信頼性やセキュリティ、データ共有の重要性はさらに高まることは間違いない。また、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレット端末を通じてリモートワークを行うユーザーも増加するため、クラウドストレージサービスの市場は今後も拡大する見通しであるとしている。 

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