AI翻訳サービス「T-4OO」精度向上、専門用語の反映率ほぼ100%

2025年3月26日 11時33分更新


 株式会社ロゼッタは同社が提供する高精度AI自動翻訳「T-4OO」の翻訳精度が向上、特に参考文献からの専門用語の反映精度がほぼ100%に達し一般的な生成AI翻訳と比較して2倍以上の精度を実現したと発表した。

「T-4OO」とは…

  • 生成AIと専門翻訳を組み合わせた独自の翻訳技術
  • 95%以上の高精度翻訳
  • 2,000の専門分野と100言語をカバー
  • 国内サーバーによる高いセキュリティ
  • スキャン画像PDFの翻訳対応
  • 企業ごとの社内用語を自動反映 といった特徴を持っているという。

 今回の精度向上は、2025年2月に実施された評価試験によって確認された。試験ではCMC薬事分野の専門文書をサンプルとし、複数の翻訳エンジンを用いて専門用語の反映率を比較、その結果、「T-4OO」は指定された参考文献からの専門用語をほぼ100%正確に反映し、他の生成AI翻訳を大きく上回る精度を達成したという。

「T-4OO」は、2,000以上の専門分野別データベースを有しており、従来のニューラル機械翻訳(NMT)技術を活用していたが、従来のNMTでは専門用語の正確な反映に限界があった。一方、近年の生成AI翻訳は訳文の自然さが向上するものの、専門分野の用語を正確に反映することが難しいという課題があった。そこで「T-4OO」は、生成AIと専門分野ごとの翻訳技術を独自に組み合わせることで、翻訳の精度を大幅に向上させた。

 「T-4OO」は日々アップデートされており、現在利用中のユーザーも「生成AI翻訳」メニューを選択し、公的対訳や社内対訳(参考文献)を設定することで、新たな翻訳精度を体験できるという。翻訳精度向上について、「T-4OO」開発責任者の篠田篤典氏は、一般的な生成AI翻訳が専門分野のデータベースを持たないため、正確な専門用語の反映が難しい点を指摘している。しかし、「T-4OO」は独自の専門分野データベースを活用することで、専門用語の正確性と一貫性において大きな優位性を確保が可能となった。今後も生成AI技術を最大限に活用し、さらなる翻訳精度の向上を目指すとのことだ。

 「T-4OO」は、専門文書や社内用語を再現するカスタマイズ性と、生成AI翻訳による流暢な訳文を両立した高精度AI翻訳サービス。従来の産業翻訳や専門翻訳とは異なり、企業が高額な専用エンジンを構築する必要がなく、社内の翻訳資産を活用することで、訳文の表現やスタイルを正確に反映できる。

 また、「T-4OO」は、その優れた翻訳精度が評価され、CIOReview APACにより「アジア太平洋地域のAI翻訳ソリューション・オブ・ザ・イヤー2024」を受賞。ロゼッタは、AI翻訳技術を活用し企業の国際競争力向上に貢献することを目指しているという。

ロゼッタが所属するメタリアル・グループは、「世界中の人々を場所・時間・言語の制約から解放する」というミッションを掲げ、AI技術を活用したさまざまなサービスを提供しているそうだ。特に、翻訳市場では国内No.1の実績を持ち、法務、医薬、金融、化学、IT、機械、電気電子など2,000以上の分野に対応しているという。

     AI翻訳技術の進化により、専門分野の翻訳がより高精度かつ効率的になっていくことが期待されるそうだ。「T-4OO」の今後の発展にも注目したい。

    参照元:https://www.metareal.jp/download/2025032501.pdf

    関連カテゴリー