訪日旅行は楽天とHISが4割増、海外旅行でKNT-CT(近畿日本ツーリスト)が2割増―観光庁

2018年1月11日 16時09分更新


 観光庁は、主要旅行業者50社の旅行取扱状況を発表した。それによると、総取扱額は前年比1.9%増の5189億667万円。そのうち、海外旅行は8.4%増の1797億8037万円、外国人旅行は11.8%増の229億3665万円、国内旅行は2.0%減の3161億8965万円だった。

■海外旅行取扱額 分野別・上位5社の直近12ヶ月の推移
 2017年10月までの海外旅行取扱額上位5社・直近12ヶ月推移比較グラフは以下のとおり。

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 2017年10月は42社中、上位5社(JTBグループ25社、H.I.S.グループ5社、阪急交通社グループ3社、KNT-CTグループ8社、日本旅行)のうちKNT-CTが18.8%増の伸び。阪急交通社も14.6%増と2桁の伸びを示した。

■訪日旅行取扱額 訪日旅行の旅行会社別・上位5社の直近12ヶ月の推移
 2017年10月までの訪日旅行会社別取扱額上位5社・直近12ヶ月推移は以下のとおり。

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 10月は上位5社(JTBグループ25社、日本旅行、H.I.S.グループ5社、KNT-CTグループ8社、楽天)のうち、楽天とHISが約4割増、JTBが14.3%の好調な伸びを記録。JTBは5月以来5ヵ月ぶりで100億円の大台に乗せた。

■国内旅行取扱額 国内旅行の旅行会社別・上位5社の直近12ヶ月の推移
 2017年10月までの国内旅行取扱額上位5社・直近12ヶ月推移は以下のとおり。

観光庁3-1観光庁3-2

 10月も上位5社(JTBグループ25社、楽天、KNT-CTグループ8社、日本旅行、ANAセールス)のうち、楽天が前年比増を記録。過去12ヶ月間を通じてプラスの伸びは楽天のみとなっている。

■旅行商品ブランド全体の取り扱い状況
 2017年10月の旅行商品ブランド(募集型企画旅行)は、総取扱額が前年比0.6%減の1258億1259万円、取扱人数合計は4.2%減の303万211人。海外旅行は取扱額が11.0%増の385億48万円、取扱人数が7.3%増の18万2262人。外国人旅行は取扱額が6.5%減の6億2465万円、取扱人数は9.9%増の4万4022人。国内旅行は取扱額が5.0%減の866億8746万円、取扱人数が5.1%減の280万3927人。10月は外国人旅行で人数が1割増となったのに対し、取扱額はマイナス推移。前月に続いて単価の減少傾向がうかがい知れる結果となっている。

■方面別の全体傾向
 旅行会社へのヒアリングによれば、海外旅行はハワイや欧州、台湾を中心に好調。外国人旅行は、前年比増加幅が大きい韓国や中国に加え、大型MICE案件が伸びをけん引。国内旅行は、2週連続で週末に台風が到来し、キャンセルなどの影響で減少する結果となった。

【調査概要】
 2016年9月までは主要旅行業者50社、2016年10月から2017年3月までは49社、2017年4月以降は再度50社を対象に集計。
 また、2017年4月以降、JTBグループの集計値を15社合計から25社合計に変更したほか、びゅうトラベルサービス、エスティーエートラベル、テック航空サービス、ニッコウトラベルを新たに追加。2017年以降にJTBグループの集計値に加わった10社は、JTBワールドバケーションズ、JTBビジネストラベルソリューションズ、PTS、JTB沖縄、JTB京阪トラベル、エイ・ビー・アイ、JTBメディアリテーリング、JTBグランドツアー&サービス、朝日旅行、トラベルプラザインターナショナル。なお、「外国人旅行」は日本の旅行会社によるインバウンド旅行を指している。

 LCCがアジアを中心に国際線の路線も増え、安価な交通手段として定着してきたが、単に日本で人気の日用品やお土産を単品購入するだけでなく、百貨店の化粧品売り場で日本式のメークをしてもらい日本の化粧品を買うことを演出したり、果物や工芸品の産地を訪れモノ作りの現場も見てもらったり、モノと地域をつなげ買うだけの価値から訪れる価値への転換ができれば、これからも訪日外国人旅行者全体が増加するだろう。訪日外国人客のリピーターを増やすことで、日本人の国内旅行の魅力再発見にもつながることが期待できる。
 
 
 
 

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