JR九州とSkyDriveが資本業務提携、空飛ぶクルマで九州に革新

2025年7月30日 11時45分更新


 JR九州では、空飛ぶクルマを「観光資源としての新しい体験提供」および「日常の移動手段」としての可能性を高く評価しており、交通や都市開発の観点からも地域発展への貢献が期待されている。今回の提携は、同社の中期経営計画に掲げる「サステナブルなモビリティサービスの実現」や「未来への種まき」といったビジョンにも合致しており、新たな次世代交通モデルとしての展開に意欲的だ。

JR九州と空飛ぶクルマの開発を手がける株式会社SkyDriveは、2025年7月、資本業務提携を結び、九州地域における「空飛ぶクルマ」の社会実装に向けた取り組みを加速すると発表した。すでに両社は包括連携協定を結んでおり、大分県を中心に実証や調査を進めていたが、今回の提携により開発と実装のフェーズがより現実的な段階へと進んでいくことになる。

 SkyDriveは、電動垂直離着陸機(eVTOL)の開発を進める国内の先進企業であり、物流ドローンやドローンショーの運営なども手がけてきた。今回の提携では、大分県の補助金を活用した2028年度の空飛ぶクルマサービスの開始を見据え、離発着場候補地の調査や社会受容性の検討を進めている。国土交通省が示す「次世代空モビリティ」にもとづき、電動化や自動化、垂直離着陸技術を活用した新たな移動インフラの創出が現実味を帯びてきた。

 将来的には、観光ルートの空中化、災害時の緊急輸送、過疎地域の交通課題解決など、空飛ぶクルマの活用範囲は多岐にわたるとみられている。JR九州が持つ鉄道・不動産などのインフラネットワークと、SkyDriveの最先端航空技術が融合することで、モビリティの常識が大きく変わる可能性もある。

 今後、地域住民や自治体との連携を深めながら、法規制や安全基準の整備も含めた持続可能なモデル構築が進められる見通しだ。アジア全体を見渡しても、公共交通と空のモビリティの融合は新しい領域とされ、グローバルな注目も集まりつつある。九州発の空飛ぶクルマ社会実装が日本のモビリティ革新の象徴となる日も近いかもしれない。

参考URL:https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2025/07/04/20250704_JRKyushu_and_SkyDrive_Inc._enter_into_capital_and_business_alliance.pdf

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