マイボイスコムは3月13日、モバイル決済に関するインターネット調査(第10回)の結果を発表した。直近1年間に店頭でスマホ決済を利用した人のうち、週1回以上利用した割合は7割強に達し、日常的な決済手段として定着が進む実態が浮き彫りになった。経済産業省が2025年3月31日に公表した算出結果によれば、日本のキャッシュレス決済比率は2024年に42.8%(141.0兆円)に達し、2025年6月までに4割程度とする政府目標を前倒しで達成しており、スマホ決済の普及がその一端を担っている。
PayPayが断トツ、利用頻度・依存度も高水準
マイボイスコムの調査によると、直近1年間の店頭での支払い方法(複数回答、ネットショッピング除く)をみると、現金が80.5%と引き続き最多だが、スマホ決済は57.5%と2番目に多いクレジットカード本体(63.8%)に近い水準となっている。特に女性10・20代では8割弱、女性30代では7割弱がスマホ決済を利用しており、若年女性層での浸透が顕著だ。男性10〜40代・女性10〜30代では、現金に次ぐ2番目の決済手段として定着している。

利用サービス別(複数回答)では、PayPayが47.5%、楽天ペイが25.6%、d払いと交通系電子マネーが2割前後で続いた。Apple Payは9.0%にとどまるが、若年層での比率が相対的に高い傾向がみられたという。
利用頻度では「週2〜3回」が30.8%でボリュームゾーンを形成する一方、週4〜5回以上の高頻度利用者も2割強存在し、男性30〜50代でやや高い傾向があった。また、店頭決済全体に占めるスマホ決済の比率は、「8〜9割」と「1〜2割」の二極化した回答がボリュームゾーンを形成している。6〜7割以上をスマホ決済でまかなう利用者は5割弱、8〜9割以上に限ると3割にとどまっており、徹底的なスマホ決済派と補完的利用にとどまる層の分断が読み取れる。
利用意向は若年層で7割超、利便性とポイント還元を重視
今後の利用意向(利用したい/やや利用したいの合計)は6割弱で、男性10・20代や女性10〜30代ではいずれも7割を超え、すでにスマホ決済を利用している層では8割弱に達した。一方で、全体では4割超がまだ積極的な利用意向を示しておらず、幅広い年代・性別への浸透という点では一定の余地が残る。
サービス選定時の重視点(複数回答)は、「利用できる店舗・サービスの多さ」と「支払いのスムーズさ・手順の簡単さ」がともに66.1%と最多を占め、「ポイント還元率の高さ」が49.2%で続いた。サービス別では、楽天ペイ利用者でポイント還元率を重視する傾向が高く、AEON Pay利用者では「よく利用する店で使えること」への志向が強いなど、サービス特性に応じた選好の差が確認された。
キャッシュレス80%へ、課題は加盟店整備と体験の底上げ
経済産業省は将来目標としてキャッシュレス決済比率80%の達成を掲げており、2025年10月にはキャッシュレス推進検討会を立ち上げ、中間目標の設定を含め2026年以降の施策について議論を進めている。普及拡大に向けては、加盟店網の整備やインフラコスト削減、人手不足への対応などが引き続き論点となっている。
今回の調査では、サービス選定時の重視点として「利用できる店舗・サービスの多さ」と「支払いのスムーズさ・手順の簡単さ」がいずれも66.1%で最多となった。日常の支払いでストレスなく使える環境が整っているかどうかが、利用頻度やサービスの定着度に直結している様子がうかがえる。
スマホ決済の普及が進むなか、決済事業者による加盟店拡大やアプリの操作性向上といった取り組みは一段と重要性を増すだろう。PayPayをはじめとする主要サービスが、こうした課題にどう対応するかが、利用者の拡大と定着の両面で注目される。
マイボイスコム調べ
調査主体:マイボイスコム株式会社
調査対象:マイボイスコムのアンケートモニター
調査方法:インターネット調査(ネットリサーチ)
調査期間:2026年2月1日〜2月7日
回答者数:11,452名
URL:https://myel.myvoice.jp/products/detail/33107