中野区・杉並区で処方薬の当日受取サービスを京王運輸らが開始

2026年3月9日 09時58分更新


 京王運輸株式会社と株式会社Kiviaqは2026年3月6日に、東京都の中野区および杉並区を対象とした処方薬の当日受取サービスの提供を開始したと発表した。このサービスは2026年1月19日より先行して運用が行われており、オンラインでの服薬指導から自宅などへの配送までをシームレスにつなぐ新しい医療インフラの構築を目指している。京王グループが持つ物流網や交通広告媒体の活用と、Kiviaqが推進する医療アクセス再設計の技術を融合させることで、患者が必要な時に最適な形で薬を受け取れる社会の実現を図る。

 このサービスでは、Kiviaqの提携医療機関で受診した患者の処方せんデータが、同社運営の「キビヤックファーマシー」へ直接連携される仕組みとなっている。患者はLINEを通じて通知を受け取り、薬剤師によるオンライン服薬指導を受講する。指導完了後、京王運輸が配送を担い、最短でその日のうちに処方薬が届けられる。具体的な配送条件として、平日は15時まで、土日祝日は12時までに服薬指導を完了させることで、当日21時までの配送が可能だ。対象エリアを中野区と杉並区に限定することで、地域に密着した迅速な物流体制を整えている。

 また、2026年3月9日から4月5日までの期間、花粉症シーズンの到来に合わせた認知向上の取り組みが実施される。京王線および井の頭線の全14駅において、サービスの紹介ポスターが掲出される予定だ。対象駅には、明大前、下高井戸、桜上水、上北沢、八幡山、芦花公園、千歳烏山の京王線各駅に加え、井の頭線の永福町、西永福、浜田山、高井戸、富士見ヶ丘、久我山が含まれる。多くの利用客が行き交う駅構内でのPRを通じて、花粉症などで外出や待ち時間を負担に感じる層に対し、利便性の高い薬の受取方法を提案し、利用の促進を図る狙いがある。

 この事業は、東京都が推進する「Be Smart Tokyo 」の一環として、スマートサービス実装促進事業者であるTIS株式会社の支援を受けて実施されている。物流業界が直面する「2024年問題」や環境負荷低減といった課題に対し、京王運輸はこれまで培った鉄道活用の物流ノウハウを投入し、Kiviaqはテクノロジーによるサプライチェーンの最適化を追求している。両社は今後、この取り組みを通じて得られた知見をもとに協業をさらに深める考えだ。将来的には京王電鉄沿線エリアへの拠点開設を見据えるとともに、配送サービスの高度化や提供エリアの拡大を継続的に進めていく方針である。両社の連携により、時間や場所に縛られない新しい医療体験が都市部の社会課題解決に寄与する。

参考URL:https://www.kiviaq.com/

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