SNS 利用動向に関する調査、利用者満足度 1 位は Instagram で 81.2 ポイント—ICT総研

2020年7月29日 10時17分更新


 株式会社 ICT総研は 7 月 29 日、2020 年度 SNS 利用動向に関する調査結果をまとめた。この調査は、SNS 運営会社・関連企業への取材結果に加え、インターネットユーザー4,400 人への web アンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析したものである。

■ 日本の SNS 利用者は 7,975 万人(普及率 80%)、2022 年末に 8,241 万人へ拡大

 日本国内における SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用者(アクティブユーザー)は年々増加しており、2020 年末には 7,975 万人に達する見込みだ。2019 年末の国内ネットユーザーは 9,960 万人と推定されるが、SNS 利用者はそのうちの 78.2%にあたる 7,786 万人だった。2020 年の年間純増者数は189 万人となる見込みで、利用者は1ヶ月平均で約 16 万人の増加を続けている。
 SNS 利用者は元々20 代以下の若年層が多かったが、SNS の利用が当たり前になってきたことで 40 代以上にも拡大しており、登録者数・利用者数ともに増加傾向が見られる。このまま普及が進めば 2022 年末には利用者数は 8,241 万人、ネットユーザー全体に占める利用率は 83.3%に達する見通しである。

■ ネットユーザーに占める LINE 利用率は 77.4%、Twitter 38.5%、Instagram 35.7%

 ICT 総研が 2020 年 7 月に実施したアンケート調査では、4,400 人のアンケート対象者のうち 8 割以上の人が「人とのコミュニケーション」を行う目的で SNS や通話・メールアプリを利用していると回答した。全回答者の中で最もこのサービスの利用率が高かったのはLINE(ライン)で77.4%、Twitter(ツイッター)が38.5%、Instagram(インスタグラム)が 35.7%、YouTube(ユーチューブ)が 23.2%、Facebook(フェイスブック)が21.7%、TikTok(ティックトック)が 8.1%、Skype(スカイプ)が 7.1%、となっている。昨年との比較で TikTokの利用率は増加、Instagram の利用率はほぼ横ばい、LINE、Twitter、YouTube、Facebook、Skype の利用率は減少している。TikTok の利用率は昨年から 1.0%増加し、Skype の利用率を上回った。

■ 利用者満足度 1 位は Instagram で 81.2 ポイント、YouTube が 80.8 ポイントで続く

 主な SNS の利用者満足度を 100 点満点換算の満足度ポイントに換算すると、Instagram の満足度が最も高く 81.2 ポイント、次いで YouTube が 2 位で 80.8 ポイントだった。3 位の LINE は 79.1 ポイント、TikTokは 78.5 ポイントで 4 位につけている。5 位は Twitter で 78.0 ポイント、6 位の Facebook は 73.5 ポイントとなった。昨年 2 位だった Instagram が 2.7 ポイント増で YouTube を上回った。

■ YouTube 利用者の 65%、Instagram 利用者の 53%が利用時間増加

 SNS の利用時間について 1 年前との比較をしたところ、LINE 利用者のうち 42%が、利用時間が増えた(「増えた」「どちらかと言えば増えた」の合計)と回答している。YouTube 利用者のうち 65%、Instagram の利用者のうち 53%、Twitter 利用者のうち 53%が増えたと回答している。
 最近の利用傾向では、LINE、Twitter、YouTube、Instagram 利用者はスマホ普及率の増加とともに利用者数・利用時間が増えているのに対して、パソコンでの利用者が多かった Facebook は利用時間もそれほど伸びていない傾向が見られる。Instagram の利用率はほぼ横ばい、利用時間は伸びている。
 また、1 日に 1 時間以上 SNS を利用する人の割合は、YouTube が 70.7%、Instagram が 54.5%、Twitterが 53.1%、Facebook が 41%、LINE が 33.6%となっている。

■ SNS の利用目的は「知人の近況を知りたい」が 43%、「人とつながっていたい」が 33%

 SNS を利用する理由についてのアンケート結果では、「知人の近況を知りたい」という理由が最も多く 43%であった。「人とつながっていたい」といったコミュニケーションを求める理由も 33%で 2 番目に多かった。「自分の近況を知ってもらいたい」が 24%、「写真などの投稿を見てもらいたい」が 23%、「自分の行動記録を残しておきたい」が 21%となっている。「仕事やビジネスで連絡を取りたい」が 20%となっており、実用的な場としても利用されている。「『いいね』などのリアクションが欲しい」は 17%にとどまっているが、このような自己アピールを行いたい心理も SNS 普及の一因となっている。「仲間外れにされたくない」といった理由も5%ほどあり、割合は少ないものの SNS を利用しない場合の不安も生じているようだ。
 また、1 日 1 回以上の投稿をする人は、Twitter ユーザーが 54.2%、LINE ユーザーが 50.8%、Facebookが 49.6%と高めである。SNS のサービスも多様化しており、コミュニケーションツールとして活用するものや、動画・写真の閲覧を主目的とするもの、写真映えのする投稿を目的とするものなどに分かれ始めている。今後も用途や目的に合わせて SNS を使い分けるユーザーが増えていくことが想定される。

 今後も SNS はネット社会に生きる現代人にとって必須のツールとなり得ることは間違いないが、セキュリティをさらに充実させ、安心・安全に利用できる環境がより整備されることが期待される。
 ICT 総研では、今後も SNS の市場動向・利用者動向について、継続して調査を続けていく方針だ。

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