2017年版年末年始インバウンド・アウトバウンド人気都市ランキング、1位はセブ島ースカイスキャナー
2017年12月21日 17時18分更新
国内外の航空券、ホテル、レンタカーの一括比較検索サービスを提供するスカイスキャナージャパン株式会社は、今年の検索実績から導き出した、年末年始インバウンド・アウトバウンド人気都市ランキングを発表した。
《アウトバウンド人気都市、セブ、バリ、マニラなどが人気急上昇》
航空券検索数からみる年末年始のアウトバウンド人気都市は、トップ10でみると「ソウル」「バンコク」「台北」「香港」「ホノルル」などがランクイン。人気急上昇都市でみると「セブ」「バリ」「マニラ」などが上位に。東南アジアのリゾート地が注目されている。
JTBが発表した年末年始の旅行動向見通しによると日本人の海外旅行は2.8%増の70.4万人で過去最高と予測される。新規就航が続くLCCを活用して渡航費を節約し、その分現地での滞在をグレードアップするという旅行スタイルも浸透しつつあるようだ。
①ティーウェイ航空、春秋航空などの直行便スタートで伸び率トップ「セブ島」
フィリピン航空やセブパシフィック航空が直行便を就航しているほか、2016年よりバニラエアが就航を開始。競合激戦ルートになったことから成田—セブ島の年末年始航空券価格は昨年比で1割以上も下がり、往復6万円台の便が充実したセブ島。競争激化により100円キャンペーンなども展開された結果観光客の増加につながったと考えられる。LCC直行便の増加に伴い、ブログやSNS、インスタからの情報拡散以外にも、各種旅行会社のサイトが特集を組んで積極的に認知活動を行っており、幅広い層への認知につながったことも人気急上昇の要因と思われる。
②「2017年の観光地都市の人気ランキング」で1位獲得「バリ島」
80年代には長期リゾート、マリンスポーツなどで世界中で高い人気を誇っていたバリ島は、近年ではテロ事件などの影響で一時人気が落ち込んでいた。しかし、治安も落ち着いたことから、再び世界の観光都市としての人気を回復。日本では、2017年5月にエアアジアX(マレーシア)より成田からの直行便が就航。リーズナブルな運賃はもちろんエアアジアからの直行便は、着いた初日から観光を満喫できる就航スケジュールで、バリ島人気を大きく後押ししている。
③世界三大サンセットでインスタ映え 「マニラ」
フィリピンの首都マニラは、世界有数(世界三大夕陽)のサンセットが話題となりインスタ映えを狙った若者からの人気が急上昇。また旅行通・アジア好きの間ではマニラからボボール島など近隣諸島へのトランジット滞在で宿泊する旅行者も増加し、トライアル、リピーター共に多い観光地として人気が高くなっている。LCC直行便の激戦区の一つで日本のLCCブランドが続々と直行便を就航。2016年にはジェットスター航空(日本)が成田-マニラ便を就航し、セブパシフィック航空(フィリピン)とジェットスターが成田を舞台にキャンペーン合戦を展開。100円便、4,990円便などを狙って、1年に2度、3度と行くリピーターも増加しているようだ。
《インバウンド人気都市、九州と仙台が人気急上昇》
年末年始のインバウンド人気都市は、トップ10でみると「東京」「大阪」「福岡」「沖縄」「札幌」など例年に続き国際空港のある大都市圏、観光都市圏が挙がっているが、人気急上昇都市でみると「佐賀」「宮崎」「仙台」「北九州」「鹿児島」が上位に。「仙台」「北九州」「鹿児島」はトップ10入りとなった。
日本政府観光局(JNTO)の統計によると2017年11月までのインバウンド訪日観光客数は前年同期比19%増の2,616万人を超え、昨年の年間累計(2,404万人)をすでに超え、今後も引き続き増加を続ける見通しだ。
①ティーウェイ航空、春秋航空などの直行便スタートで伸び率トップ「佐賀」
伸び率が最も高かった「佐賀」は2017年5月にティーウェイ航空(韓国)が佐賀直行便をスタートさせたこともあり、アジアの訪日ホットスポットとして注目度がアップ。中国から約1時間で来ることができるため、中国人はもとより、タイを始め東南アジアの観光客が増加している。佐賀の人気の背景には、中国からのインバウンドを招致する佐賀県の努力も大きく影響。方言と中国語をミックスさせたキャッチフレーズを面白動画などで発信したり、唐津くんち、インターナショナルバルーンフェスタなど、訪日客が楽しめるイベントを積極的にアピールするなど、体験型サービスの充実で、都市部とは異なる滞在の楽しさを展開。佐賀の魅力はインバウンドだけでなく、国内観光客にも浸透しつつある。
②リゾート地として長期滞在を望む訪日客や富裕層を惹きつける「宮崎」
国内観光客にも人気の高い宮崎は、九州の中でもリゾート地として訪日外国人の満足度が高いエリア。自治体が旅行情報サービス企業などと組んで積極的に海外向けセミナーなどを開催し、温泉など商業施設のPRを積極的に行ったことから認知、イメージアップが功を奏し、人気が高まっているようだ。また12月21日よりLCCのイースター航空(韓国)のソウル直行便が週3回就航。既存の定期便を加えると週8便(冬季のみ)に増便したことにより、今後韓国からの訪日客が増える見込み。
③東北6県の震災後インバウンド巻き返しの拠点となる「仙台」
震災前のインバウンド需要で観光、宿泊、食など多方面においてトップ10入りしていた仙台・松島エリアは、2015年以降、インバウンド巻き返しに力を入れている。2016年にタイガーエア(台湾)が仙台空港初となるLCC直行便(仙台ー台北線)を開設したのを皮切りに、国、自治体、企業が一体となって交通・宿泊・観光施設の整備や団体招致などに力を入れ、仙台空港を宮城観光と東北6県への入口として利用してもらえるような再認知を図っていることから、台湾、中国などを中心に訪日客が戻りつつある。また自治体・旅行会社などが積極的に行うPR活動や、台湾・中国の需要に対応したサービスの導入、中国語対応による人的サポートなども徐々に効果を見せ始めていると考えられる。さらに仙台市は、台湾・中国以外のアジアへの認知アップも積極的に展開。2016年にはタイのドラマ撮影の舞台として仙台および東北でのロケを招致するなど、ストーリー性のある観光フックを創出したこともインバウンドの伸びに貢献しているようだ。