楽天2024年度決算:営業黒字化達成も純利益赤字は続く
2025年2月17日 11時42分更新
楽天グループは2月14日、2024年度通期決算を発表した。売上収益は2兆2792億円(前年比+10.0%)、営業利益は530億円と5年ぶりの黒字化を果たした一方で、親会社の所有者に帰属する当期純利益は1624億円の赤字となった。
連結業績では、すべてのセグメントで増収となり、通期Non-GAAP営業利益は70億円の黒字となっている。
楽天モバイル、契約回線数と収益性向上で黒字化に向け前進
モバイルセグメントの2024年度通期業績では、売上収益が4407億円(前年同期比+20.9%)に達し、Non-GAAP営業損失は2,089億円と、前年から1,056億円の赤字縮小となった。
MVNOを含む全契約回線数は2024年12月時点で830万回線に達し、MNOの解約率は1.38%に低下。ARPU(1回線あたりの平均収益)は55円増加し、2,856円となった。

収益向上の主な要因は、「最強家族プログラム」や「楽天モバイル最強感謝祭」などによる新規契約数の増加があげられる。また、データ利用量の増加がデータARPUを押し上げたほか、一部オプションサービスの有料化やRakuten Linkのユーザー利用拡大による広告収入拡大も寄与した。
モバイルセグメントのEBITDAは、2024年12月の単月で23億円の黒字を達成し、黒字化に向けた進展が見られた。なお、モバイルエコシステム貢献を業績評価に組み込んだ影響で、各セグメントのNon-GAAP営業損益やEBITDAには遡及修正が行われている。
今後、楽天モバイルは1,000万回線の獲得を目指し、地方や高齢層ユーザーの取り込みを強化するとしている。
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