楽天グループ2025年決算、過去最高収益とモバイル黒字化を達成

2026年2月13日 11時30分更新

 楽天グループ株式会社は2026年2月12日に、2025年度通期および第4四半期の連結決算を発表した。この発表によると、2025年1月から12月までの連結売上収益は、前年同期比9.5%増の2兆4966億円に達し、29期連続で過去最高を更新した。一方で、物流拠点の最適化に伴う減損損失の計上などが響き、最終損益は1778億円の赤字を記録している。通期での最終赤字は2019年度から数えて7年連続となったが、本業の収益力を示すIFRS営業損益は144億円の黒字を達成し、2期連続の黒字を確保した。また、同社がキャッシュフロー創出力を評価する上で最重視している指標であるEBITDAは、前年比33.7%増の4359億円と過去最高を更新している。2025年度は、期初に掲げた「連結Non-GAAP営業利益の黒字拡大」および「楽天モバイル通期EBITDA黒字化」という二つの主要目標を完遂し、グループ全体の収益構造が劇的に改善している実態が示された。

 セグメント別の動向を詳細に見ていくと、インターネットサービス、フィンテック、モバイルの全領域において前年を上回る増収を達成している。インターネットサービスセグメントでは、売上収益が1兆3697億円(前年同期比6.8%増)、Non-GAAP営業利益が889億円(同4.5%増)となり、堅調な増収増益を記録した。中核となる国内EC事業においては、「楽天市場」や「楽天トラベル」が安定した人気を維持し、流通総額は前年比3.9%増の6兆3452億円となった。2024年がうるう年であったことによる日数差を考慮した実質成長率は4.2%増であり、一桁台半ばの安定成長を継続している。利益面では、物流事業などの投資フェーズにあるビジネスにおける損失縮小に向けた施策が実を結び、国内ECのNon-GAAP営業利益は1224億円と前年から12.6%の増加を見せた。また、海外事業でも「Rakuten Viber」の広告収入や「Rakuten Kobo」のコンテンツ販売が好調で、グローバルな収益基盤の強化が進んでいる。

 フィンテックセグメントは、グループの利益成長を牽引する強力な柱として、売上収益9759億円(前年同期比19.0%増)、Non-GAAP営業利益1999億円(同30.3%増)という驚異的な成長を遂げた。楽天カードは、会員基盤の拡大とキャッシュレス決済の普及を背景に、ショッピング取扱高が前年比10.3%増の26.5兆円まで伸長。リボ払い手数料率の改定も収益を押し上げ、金融費用の増加分を十分に吸収して増益を達成した。楽天銀行では、楽天エコシステムを軸とした口座獲得が順調に進み、2025年12月末時点の口座数は前年同期比7.0%増の1763万口座に到達。日本銀行の政策金利引き上げに伴う金利収益の拡大も寄与し、四半期ベースの経常利益で過去最高を更新した。さらに、楽天証券も新NISA制度開始に伴う新規顧客獲得が好調で、証券総合口座数は1326万口座を突破し、NISA口座数も業界トップシェアを維持するなど、各事業が高い市場競争力を示している。

 グループ最大の焦点であるモバイルセグメントにおいては、歴史的な転換点を迎えた一年となった。楽天モバイルの全契約回線数は、2025年12月末時点で1001万回線となり、サービス開始以来の目標であった1000万回線の大台を突破。前年同期から171万回線の純増を記録した。楽天エコシステムとの連携を強めたB2C(個人向け)の獲得に加え、年度末に向けたB2B(法人向け)の実績化が大きく貢献している。データ利用量の増加に伴い、ユーザー1人あたりの平均収入を示す正味ARPUも2467円へと上昇し、楽天モバイル単体の売上収益は32.0%増の3747億円と急成長を遂げた。この結果、モバイルセグメント全体のEBITDAは288億円の黒字を計上し、携帯キャリア事業への参入以来、初めて通期でのEBITDA黒字化を達成した。2026年度は「ネットワーク強化の年」として、さらに2000億円規模の設備投資を計画しており、三木谷会長は安定したサービス提供を地道に継続する意向を示している。

 財務戦略においては、2025年を通じてサステナビリティボンドの発行や国内永久劣後債の起債に成功するなど、資金調達手段の多様化を大きく前進させた。キャッシュコンバージョンサイクルの改善も含め、手元資金の流動性を確保する動きを強めている。今後の社債償還に対しても、為替や金利の動向を注視しながら最適な調達手段を適時選択し、原則としてセルフファンディングにより手当てする方針に揺らぎはない。2026年度は、これまでの投資を収益へと変換するフェーズを加速させ、AI活用の促進や人材開発の強化を通じて、Non-GAAPおよびIFRS基準での営業利益の大幅な増益を目指す。モバイル事業の黒字化が現実のものとなる中で、楽天グループは長年の赤字構造を脱し、次なる成長ステージへの飛躍を狙っている。

 楽天グループは、モバイル事業の劇的な収益改善と強固なフィンテック・EC基盤を武器に、2026年度以降の最終損益の黒字化と持続的な成長を目指す。

参考URL:https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2026/0212_01.htmlyear=2026&month=2&category=cor%20ir

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