世界の都市総合力ランキング2022、東京は3位。コロナ政策の違いでスコアが大きく変動

2022年12月15日 11時23分更新


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 12月14日、森記念財団都市戦略研究所は「世界の都市総合力ランキング(GlobalPowerCityIndex,GPCI)」を発表した。
東京は7年連続で3位となったものの、総合スコアが大幅に下落し、4位のパリと僅差となった。
また、新型コロナの拡大から約3年となる今年の調査では、各都市におけるコロナ政策の違いが明確に調査結果に表れ、スコアに大きな変動がみられた。

トップ5都市の順位に変動はないものの、各都市のスコアは大きく変動


1位ロンドン、2位ニューヨーク、3位東京、4位パリ、5位シンガポールというトップ5都市の順位に変化はないものの、コロナ禍に対する各都市の対応の違いが強く影響し、スコアは大きく変動した。
特に外国人観光客の受入再開状況や航空便の運航本数の回復度合いが、「文化・交流」と「交通・アクセス」のスコアに明確に表れた一方で、「居住」や「環境」のスコアを伸ばした都市がみられた。

1位のロンドンは、COVID-19の流行およびEU離脱以降から低落傾向にあり、2位のニューヨークがロンドンを追い上げる結果に。3位の東京は大きく下落し、2024年に五輪を控える4位のパリと僅差となった。5位のシンガポールはロンドン同様にGPCI-2020以降伸び悩んでおり、9位のオーストラリアのメルボルンは初めてトップ10入りを果たした。その他、日本の都市では大阪(37位)と福岡(42位)がランクインした。

居住者の暮らしやすさを向上させたパリ(4位)とメルボルン(9位)
 この両都市に共通する点は、どちらも「外国人訪問者数」のスコア低下に苦しむ一方で、「居住」や「環境」の指標で挽回した点である。「物価水準の低さ」や「1 人あたりの総労働時間の短さ」など、生活コストや就業環境面の評価が高まったほか、メルボルンは「空気のきれいさ」が 2 位まで上昇し、都市環境の質が高まったことがわかった。

国内の航空交通網を回復させたニューヨーク(2位)と上海(10位)
この2つの都市は、国際航空便の運航は 2019年時点の半分も回復していないものの、国内便の回復が他の都市より早かったことで「交通・アクセス」において高い順位を維持した。またニューヨークでは、昨年悪化した就業環境に関わる指標「完全失業率の低さ」や「働き方の柔軟性」が改善され、「居住」の順位が上昇した。

東京のスコア変動の要因

慎重なコロナ政策を実施した東京は世界主要都市の中では感染者数を比較的抑えられたものの、総合ランキングのスコアが大幅に下落。ランキング順位はかろうじて3位を維持したものの、4位のパリのスコアが伸長し、スコア差は僅差にまで詰められる結果となった。東京のスコアの変動を分野別でみると、全6分野のうち4分野(「経済」「文化・交流」「居住」「交通・アクセス」)で順位が下落し、「環境」のみ順位が上昇した。

東京はアジアの人々にとって「働きたい」都市

 GPCIの調査対象である48都市に滞在経験のある人に対して、「その都市で働きたいと思うか」についてアンケート調査(2022年8月に実施)をしたところ、最も評価が高かったのはニューヨークであり、次いで東京が2番目に評価の高い都市となった(対象都市が属する国における回答は計算から除外。東京の調査結果には大阪・福岡からの回答は含まれていない)。
東京は、特にアジア諸都市に居住している回答者から「働きたい」との回答割合が極めて高く、アジアの中心都市としての注目度が非常に高いといえる。ヨーロッパにおいて最も評価が高かった都市はストックホルムであり、ロンドンやパリがヨーロッパにおける「働きたい都市」ではないことがわかった。
GPCI-2022で大きくスコアが下落し、ランキング3位の座も危ぶまれる東京ではあるが、世界の人々、特にアジアの人々から「働きたい都市」として注目されている事実は、東京にとってポジティブな成長要因であると考えられる。

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