コンピュータ書籍の書店別販売実績は? ー 第11回 CPU大賞
2021年6月24日 12時06分更新
コンピュータ関連書籍を発行する出版社7社が加盟する「コンピュータ出版販売研究機構(略称:CPU)」では、この度、2020年度におけるコンピュータ書籍の書店別販売実績ランキングを含む、第11回CPU大賞を発表した。
1、全国書店ランキング(2020年4月~2021年3月までの1年間におけるコンピュータ書籍の販売実績により上位店を表彰)
【第1位】 ジュンク堂書店池袋本店(東京都) (販売冊数61966冊 前期比91.1%)
【第2位】 紀伊國屋書店新宿本店(東京都)(販売冊数54726冊 前期比72.6%)
【第3位】 丸善丸の内本店(東京都)(販売冊数41581冊 前期比80.5%)
コロナ禍により、営業自粛および営業時間の短縮などで集客の制約を受けている書店が多い中、特に通勤時・通学時での購入契機が多かった「主要ターミナル駅の大型店」の実績は非常に厳しいものがあった。その中で、ジュンク堂書店池袋本店は、コンピュータ書の強い書店である事をあらためて証明し、売上減も1桁%台で踏みとどまった。これにより4年ぶりとなる1位の座に輝いている。
上位10位以内においては、MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店が前年8位から7位へ(前年比93.2%)ランクアップし、丸善博多店が前年16位から9位(前期比98.7%)となりベスト10入りを果たすなど、若干の入れ替わりが見られた。但し、ベスト10位内すべての店舗が前期比を割る実績となっている。
一方、ベスト100位内においては、前年度を越える実績を残した書店は46店舗で、その中で「2ケタ以上」の伸びを示した書店が24店舗であった。ジュンク堂書店藤沢店(前期比113.3%)、ジュンク堂書店那覇店(前期比118.3%)、MARUZEN京都本店(前期比133.3%)、金沢ビーンズ明文堂(前期比127.3%)、コーチャンフォー新川通り店(前期比129.2%)、MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店(前期比130.3%)などは、昨今の社会情勢を考慮すれば、非常に評価が高い店舗と言える。
CPUが手掛ける「棚分類コード」において、各種コード別に各社実績の合計を調べたところ、今後もさらに広がりが期待できるジャンルは、伸長率順に「Python(前期比151.9%)」、「ITパスポート(前期比124.5%)」、「クリエイティブ(前期比120.6%)」「情報処理試験(前期比117.5%)」、「Excel(前期比106.6%)」、「JavaScript(前期比101.1%)などの6つのジャンルであった。
なお、テレワーク関連書のほぼ全てが2020年度の発行のため、数値上では前年度との比較はできないが、2020年度で一番の伸長ジャンルは「リモートワーク、Zoom、Teamsなど」のキーワードおよびジャンルであった事は間違いないと言える。
一方、「人工知能(前期比82.5%)」、「子どもプログラミング(前期比92.2%)」などは、ジャンルとしては成熟期に入っており、各社からの新刊発行点数も落ち着いてきているため沈静化している状況とも読める結果となった。
2、 書籍部門(全国の主要書店のコンピュータ書担当者171名が投票、評価された新刊書籍を表彰)
【第1位】 『スペースキーで見た目を整えるのはやめなさい~8割の社会人が見落とす資料作成のキホン/技術評論社 刊』
【第2位】 『見てわかる、迷わず決まる配色アイデア3色だけでセンスのいい色/インプレス 刊』
【第3位】 『あたらしい、あしらい。 あしらいに着目したデザインレイアウトの本/ソシム 刊』
【第4位】 『ゼロからはじめるZoom 基本&便利技/技術評論社 刊』
【第5位】 『できるテレワーク入門 在宅勤務の導入・実践に役立つ本/インプレス 刊』
上位に入選している書籍は、いずれもコンピュータ書でありながら、話題書コーナーやデザイン書棚など、他ジャンルでの展開を行うことで、幅広い購買層の目に留まったことが売上を伸ばした要因と思われる。また、日々変化している社会情勢にいち早く対応したテレワーク関連書など、購買者のニーズに合った書籍が大きく評価された。