法人向けネットワークサービス顧客満足度調査、大企業市場1位はKDDI―J.D. パワー
2019年10月18日 10時45分更新
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパンは、2019年法人向けネットワークサービス顧客満足度調査の結果を発表した。
総合満足度ランキングは下記の通り。
<大企業市場>※従業員 1,000 名以上企業市場
第1位:KDDI (629 ポイント)
「営業・導入対応」ファクターで最高評価。
第2位:NTT コミュニケーションズ (620 ポイント)
第3位:ソフトバンク (619 ポイント)
<SMB 市場>※従業員 50 名以上 1,000 名未満企業市場
第1位:中部テレコミュニケーション (698 ポイント)
14 年連続の総合満足度第 1 位。
「サービス内容/品質」「営業・導入対応」「コスト」の3ファクターで最高評価。
第2位:エネルギア・コミュニケーションズ (622 ポイント)
第3位:QTnet (616 ポイント)
◆大企業市場では顧客満足度が向上
大企業市場では前年比+17pt と総合満足度に向上が見られた。特に「コスト」や「営業・導入対応」における満足度向上が顕著となっている。営業面においては、ランキング対象となったほとんどの通信事業者において昨年から満足度が上昇しており、ネットワークや関連サービスに関する提案力や、導入サービスに対するフォローアップといった評価が向上している。働き方改革に関する提案や各種セミナー・イベントの案内、困りごとのヒアリングといった通信事業者による各種提案・営業フォローアップを受けたとする回答が増えており、大企業市場ではこのような活動が活性化されたと推察される。
一方で SMB(中堅・中小企業)市場全体の総合満足度は昨年とほぼ同水準となっている。SMB 市場においては過去 5 年、市場全体の満足度には大きな変化はなく、大企業と比較すると営業対応面においても、高い満足度を得られていない。通信事業者側からの各種提案やアフターフォローを受けている企業が少なく、大企業と比較すると契約後のフォローアップを十分に受けられていない状況が続いている。
大企業、SMB 市場ともに営業対応の満足度が高い顧客企業ほど、クラウドサービスやデータセンター、セキュリティといったネットワーク以外の他サービスも契約している傾向にあり、このような顧客企業は通信事業者に対するロイヤルティも高い。また通信事業者に対し、自社の課題解決や業務改善に向けたソリューション事業者として期待する傾向も見られている。
上位レイヤービジネスのより一層の拡大に向けて、顧客ニーズや市場環境に即した提案活動等の活性化が今後も期待される。
《 J.D. パワー 2019 年法人向けネットワークサービス顧客満足度調査概要 》
年に一回、全国の企業を対象に、通信事業者が提供する固定系の法人向けネットワークサービス*に対する顧客満足度を聴取し明らかにする調査。
*レイヤー2/3 混合 VPN サービスや IP-VPN、広域イーサネット、インターネット接続サービスなど
■実施期間:2019 年 7 月
■調査方法:郵送調査
■調査回答社数: 大企業市場(従業員数 1,000 名以上企業) :408 社から 598 件
SMB 市場(従業員数 50 名以上 1,000 名未満企業):4,702 社から 5,790 件
※1 回答企業から最大 2 社の評価を聴取
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に 1,000 ポイント満点で総合満足度スコアを算出。顧客満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「サービス内容/品質」(40%)、「コスト」(29%)、「営業・導入対応」(28%)、「障害・トラブル対応」(3%)となっている(カッコ内は影響度)。