総務省豊嶋氏『電波政策の最新動向について』 ー ワイヤレスジャパン×WTP2023基調講演

2023年6月6日 10時36分更新

 総務省の豊嶋基暢氏が24日、東京ビッグサイトで開催されている「ワイヤレスジャパン×WTP2023」の基調講演に登壇し、『電波政策の最新動向について』と題して基調講演を行った。
 現在進行中の電波政策においては主に周波数の帯域確保が喫緊の課題となっている。そのため5G・Beyond5Gなど携帯電話網システム、IoT・無線LANシステム、衛星通信・HAPSシステム、次世代モビリティシステムの4つの電波システムについて2025年度までの周波数の帯域確保の目標が掲げられている。豊嶋氏は講演の中でのその4つの電波システムについて、それぞれ現時点での状況について語った。

<5Gの普及・展開>
 5Gの人口カバー率が令和3年度末で93.2パーセントにまで達した。ただ体感で感じているユーザーの割合はまだまだ低い。今後はsub6、あるいはミリ波をどう最大限に活用していくかということが非常に重要となる。

<無線LANの高度化>
 昨年9月に6GHz帯のWi-Fi 6Eを導入した。帯域幅の活用、通信安定性の向上、高速大容量通信、カスタマイズの容易性等が注目されている。より超高速化・低遅延化を目指して規格化をされているWi-Fi 7の話も出てきている。これらのシステムをどのように組み合わせて、リーズナブルな価格で使いやすいものとして提供していくのかというところが大事。

<NTN(非地上系ネットワーク)の動向>
 衛星サービスを提供する主体、サービスも進化している。最近では軌道衛星の軌道が下がってきているのと同時に、HAPSのような空飛ぶ基地局のような技術も出てきているので、空が稠密化して使われてきているのがトレンドになっている。

<次世代モビリティシステム>
 自動運転レベルが市販車の世界でホンダが世界初のレベル3、商用バスについてもレベル3から今レベル4に移ろうとしている。車の世界でも多数の通信システムを組み込んでいくことが、自動運転を到達するアプローチとして重要となっている。そのため周波数の更なる確保が必要となり、現在5.9GHz帯が注目されている状況。

関連カテゴリー