【SoftBank World 2014】ソフトバンクの世界進出を支える2つのグローバル企業――基調講演2日目

2014年7月24日 13時00分更新

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 前回の記事から引き続き、SoftBank World 2014の2日目にて行われた基調講演について取り上げる。

VMware, Inc.
CEO
パット・ゲルシンガー氏
「The Future of IT is Software-Defined」 

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 パット・ゲルシンガー氏曰く、ITは第三の世代へと入ったという。しかし今も投資の多くは第二世代のITにされている。そこをなんとか第三世代へと流れを作るべきであり、今まで通りでは通用しなくなるという。

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 2014は技術が大きく変わろうとしている時であり、手動が自動に、ハードウェアありきからソフトウェアありきの時代へと変化しつつある。そのような環境の中、VMwareは3つの戦略を立てている。データの仮想化、ネットワークの仮想化、ストレージの仮想化である。データの仮想化によってハードウェアとOSの切り離し、ネットワークの仮想化により、ネットワークをハードウェアの制約から解放し、ストレージの仮想化により管理ソフトによる運用管理で自動化が果たせるようになる。これらのものがかみあったものが「softwere-difind」である。

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 またVMwareがサービスとして展開しているハイブリッドクラウドについても説明した。ハイブリッドクラウドはプライベートとパブリックの融合したものである。現在はパブリッククラウドのほうが市場が大きいが、投資はプライベートクラウドの方へされがちである。大手企業などはパブリッククラウドを望んでいるだろうが、中にはプライベートクラウドでしか展開できないものがありネックとなっているだろう。またAmazonのクラウドサービスのようなサービスは1つのサービスに絡まれてしまう、囲い込みがされてしまう恐れもあるが、ハイブリッドクラウドでは他のシステムとの併存、互換性を成せる。

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 日本は市場はグローバルと比べても大きく、世界展開への足がかりにもなっている。災害に対して耐性の高いサービスでもあるので、日本ならではのシステムも提案していきたいという。年間80%の規模で成長しており、「interop2014」のような様々な賞も受賞している。VMwareのサービスによりIT環境を仮想化することで、サーバーやソフトウェア、ストレージを全て1つにまとめられるようになる。またair watchを買収したことにより、デスクトップとモバイルの両方で仮想化サービスの市場において、「VMware」が主流に立つことができたと述べた。

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Pivotal
Senior Vice President, Corporate Development and Strategy, Pivotal
レオ・スピーゲル氏
「The Next Generation of Computing」

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 Pivotalはおよそ1年前にVMwareとEMCからの出資により誕生した会社であり、最先端のITソリューションを推進するソフトウェア会社である。VMwear、softbank、Pivotal、EMCの4社で強力なデータセンターの構築をすすめており、技術の統合からさらなる最適化されたサービスを目指しているという。

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 ITの第二世代は生産性を如何に上げるかという点でエンタープライズが引っ張ってきたが、第三世代のITはGoogleやFacebookが牽引してきたという。この第三世代のITに対して、従来のインフラでは対応できない点を指摘しし、ピボタルは第三世代向けのサービスを提供している。またこれからはモバイルの時代であるという。、GEのような巨大企業でさえモバイルで変わった。

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 何故仮想化によりアプリやデータを融合させなければいかないのか点に関して、氏は全てはデータありきという考えを述べた。Googleを例に挙げ、何故世界最大の広告屋となれたかというと、データを持っていたからこそなれたと指摘する。従来は情報を格納すればするほどコストが掛かってしまっていたが、クラウドストレージの進化により情報の保存はコストがかからないようになった。こうした面をエンタープライズをどう考えるかが課題になってくるという。全てをデータを保存し、全てを分析し、それを基に適切なサービスを作らなければならなくなるためである。

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 「Cloud Foundry」はVMwareが提供するオープンソースのPaaS基板ソフトウェアだが、業界標準のベースとなると予測する。各企業がこのようなクラウドサービスをにどのように使っていくのか、幾つか例を挙げて説明した。GEはハードウェア会社として知られているが、ソフトウェアの価値に気づき、今やGEが生産したもの全てを管理する、ソフトウェアを構築している。飛行機エンジンなどはGEから飛行機会社へリースという形で提供されているが、GEが製造したものにはいくつものセンサーをつけて管理しているからこそできることである。またモンサントという農業バイオテクノロジーの会社はセンサーを地中に埋め、iPadで管理して、収穫をコントロールしているし、China Railwayは2億5千万人の客に対応するシステムの構築に取り組んでいる。以上のような例を挙げ、「Cloud Foundry」の優位性を説明した。

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