audiobook.jp 上半期ランキング 単品購入は資産形成本、聴き放題は文芸作品上位に
2026年7月2日 10時00分更新

株式会社オトバンクは6月25日、同社が運営するオーディオブック配信サービス「audiobook.jp」の2026年上半期ランキングを発表した。単品購入部門ではダウンロード数、聴き放題部門では再生ユーザー数を基準に集計し、それぞれトップ10をまとめている。単品購入では資産運用や生存戦略をテーマにした作品が上位を占め、聴き放題では人気シリーズ「成瀬」の2作品がトップ5入りするなど、文芸作品の支持が目立った。
2026年上半期 オーディオブックランキング
単品購入ランキングの1位は『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(たーちゃん著、ダイヤモンド社)だった。がん転移の宣告を受けた個人投資家が、再現性の高い投資法を娘に向けて指南する内容で、資産形成への関心が高いビジネスパーソン層から支持を集めた。
2位は『Master of Change 変わりつづける人 最新研究が実証する最強の生存戦略』(ブラッド・スタルバーグ著、福井久美子訳、ダイヤモンド社)。変化の激しい時代における生き方を論じた全米ベストセラーで、日本でも幅広く読まれた。3位には『サードドア』(アレックス・バナヤン著、大田黒奉之訳、東洋経済新報社)が入った。著名人への取材を通じて成功への道筋を探る内容が評価された。
4位以降は、行動経済学を扱う『ビジネスパーソンのための使える行動経済学~ナッジ理論で人と組織が変わる』(竹林正樹著、大和書房)、5位『成瀬は都を駆け抜ける』(宮島未奈著、新潮社)と続き、6位以下も自己啓発書やビジネス書が中心となった。

聴き放題ランキングでは、シリーズ完結編となる『成瀬は都を駆け抜ける』が1位を獲得した。豪華キャストによる朗読と、舞台となった「びわ湖疏水船」の実際の音を取り入れた演出が、音声作品としての評価につながったとみられる。同シリーズの前作『成瀬は天下を取りにいく』も4位にランクインし、2作品が同時にトップ5入りした。
2位は第172回直木賞受賞作『藍を継ぐ海』(伊与原新著、新潮社)、3位は2019年本屋大賞2位の『ひと』(小野寺史宜著、祥伝社)だった。
5位以降には、第163回直木賞受賞作『少年と犬』(馳星周著、文藝春秋)や2021年本屋大賞作『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ著、中央公論新社)、第170回直木賞受賞作『八月の御所グラウンド』(万城目学著、文藝春秋)など、近年の文学賞受賞作が多く並んだ。

定額プランが受賞作との接点を広げる一因に
聴き放題ランキングの上位には、直木賞や本屋大賞の受賞・候補作が複数含まれた。聴き放題は月額料金の範囲内で対象作品を自由に再生できる仕組みであり、単品購入のように1作品ごとに購入判断を迫られない。このため、気になる作品へ気軽に手を伸ばせる点が、文学賞受賞作のような話題作への接触機会を広げる要因になったとオトバンクは説明している。一方、単品購入では資産運用や自己管理など実用書への支持が目立ち、聴取目的の違いが両部門の傾向の差として表れた形だ。





