画像が決め手が89%。アパレルEC購買行動調査で判明
2026年3月27日 10時00分更新

アパレルEC事業者向けのAI画像一括トリミングSaaS「スマートトリミングAI」を開発・運営する株式会社セントラルオフィスは、アパレルECサイトの「商品画像と購買行動に関する意識調査」の結果を公表した。
ECサイトでアパレル商品を購入した経験のある全国300名を対象としたインターネット調査で、消費者の89%が「商品画像が購入の決め手になる」と回答する一方、64%が「画像の不備で購入を迷った経験がある」と答えており、画像品質が購買機会の損失に直結している実態が示された。
「サイズ感がわからない」が不満のトップ
商品画像への具体的な不満(複数回答)では、「サイズ感がわからない」が51%でトップとなり、「画像が少なすぎる」(50%)が僅差で続いた。「画像が粗い・暗い」(28%)や「構図が見づらい」(17%)など画質に関する不満よりも、「着たらどう見えるか」という着用イメージが伝わらないことへの不満が上位を占めた結果となった。

この”サイズ感”への不満は、アパレルEC市場全体で長く横たわる課題でもある。経済産業省の令和6年度調査によれば、衣類・服装雑貨のBtoC-EC市場規模は2兆7,980億円(前年比4.74%増)に達し、EC化率は23.38%に上る。同調査では、顧客の体型データと商品画像からリアルな試着体験を実現するバーチャル試着や、AI接客など、AI活用サービスがアパレル業界で増えているとしている。*1
うした流れを受け、ユーザーの体型情報をもとに最適サイズを提案するサイズレコメンドエンジン(unisize・Virtusize等)の導入も複数の事業者で進んでいる。unisizeでは、導入事例としてサイズ問い合わせが30〜40%削減、返品率が30%改善されたアウトドアブランドの事例や、利用者のCVRが非利用者比250%増となったケースが報告されている。*2
購入時に参考にする情報も「商品画像」が首位
購入時に最も参考にする情報では「商品画像」が38%で1位となり、「レビュー・口コミ」(27%)、「サイズ表」(17%)を上回った。また、1商品あたりに確認する画像枚数では「すべて確認する」が49%で最多。「4枚以上」(34%)と合わせると83%が4枚以上の画像を確認しており、「1枚(サムネイルのみ)で十分」という回答はわずか1%にとどまった。消費者は正面だけでなく、背面・ディテール・着用イメージなど複数の角度から確認したうえで購入を判断しており、掲載されるすべての画像が購入の後押しにも離脱のきっかけにもなり得る。

経産省報告書が示すように、EC事業者の間ではオンライン接客やOMO(Online Merges with Offline)の活用が広がり、ECサイト上で注文した商品を店舗に取り寄せて試着するサービスや、スタッフがリモートで接客するオンライン接客が実装されてきている。
こうした取り組みは主に大手・中堅事業者での展開が先行しているが、「サイズ感が伝わらない」という課題の解決策が多様化する中でも、商品詳細ページの画像そのものの品質・枚数という基礎的な整備が追いついていない事業者は依然として多い。消費者体験の質がそのまま購買転換率に直結するアパレルECにおいて、満足度向上への投資は今やサービス差別化の核心となっている。
バーチャル試着やAI接客といった先端技術の普及が加速する一方、セントラルオフィスの分析によると、画像改善は売上を伸ばす施策であると同時に機会損失を止める施策でもあるという。消費者が画像に求めているのは高画質ではなく、着用イメージやサイズ感といった”情報としての画像”であり、複数アングルを統一された品質で揃えることが購入率向上の鍵だと分析している。商品数が増えるほど画像品質を一定に保つ仕組みづくりが不可欠であり、EC事業者にとって商品画像の最適化は引き続き優先度の高い経営課題であり続けるだろう。
株式会社セントラルオフィスによる調査:「スマートトリミングAI」ページ
*1:経済産業省「令和6年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)報告書」4.3.7 衣類、服装雑貨(2025年8月26日公表)
https://www.meti.go.jp/press/2025/08/20250826005/20250826005.html ↩︎
*2:FutureShop導入事例より
https://www.future-shop.jp/tieup/function/cx/recommend/unisize/ ↩︎





