2026年版「財務力が強い上場企業」INPEXが首位
2026年3月23日 09時30分更新

東洋経済新報社は2026年3月18日に、企業の稼ぐ力と守る力を相対評価した「東洋経済財務力ランキング」の最新結果を発表した。このランキングは、成長性、収益性、安全性、規模の4つのカテゴリーに基づき、2025年3月期までの財務データを多変量解析の主成分分析によって数値化したものである。第20回目となる今回の調査では、2025年9月時点で上場している一般事業会社3224社が対象となった。その結果、株式会社INPEXが3762点を獲得し、11年ぶりに首位を奪還したという。同社は、原油や天然ガスの開発・生産における国内最大手であり、資源価格の高止まりや円安の影響を受けて業績が大きく拡大した。特に売上高営業利益率が50%を超えるなど、圧倒的な収益力の高さが評価に直結したようだ。

第2位には、昨年の10位から大きく順位を上げたSUBARUがランクインした。同社は規模と安全性の項目で満点となる1000点を獲得しており、北米市場を中心とした堅調な販売実績が財務数値に明確に表れているという。続く3位にはスズキが昨年の29位から急浮上した。インド市場での生産拡大や円安によるプラス効果が寄与し、2025年度の売上高は3年前と比較して大幅に増加している。上位3社がいずれも製造・資源エネルギー関連の巨大企業で占められたことは、近年の外部環境の変化がいかに特定の産業へ有利に働いたかを示している。一方で、4位の第一三共はROE(自己資本利益率)の劇的な改善が評価され、医薬品業界でトップの座を射止めた。
今回のランキングで注目すべきは、新型コロナウイルスの影響から完全に脱却した企業の躍進である。5位のANAホールディングスは、昨年の107位から驚異的なランクアップを見せた。旅客需要の急回復により業績がV字回復し、成長性のスコアではトップ100企業の中で最高水準を記録したという。同様に、6位の東海旅客鉄道も東海道新幹線の利用者が戻ったことで順位を上げ、トップ10入りを果たしている。また、インバウンド需要の恩恵を受けたファーストリテイリングが9位、オリエンタルランドが20位に入るなど、サービス・小売業界の財務的な強さも際立っている。その一方で、かつての王者である任天堂は68位にとどまったが、次期ハードウェアの発売に伴う業績拡大への期待から、今後の順位変動が予想されている。
企業の持続可能性を示す非財務情報の開示が進む現代においても、経営の土台となる財務力の重要性は依然として変わらず、外部環境の激変に対応できる「稼ぐ力」と「守る力」の均衡が企業の命運を分ける鍵となっている。





