半導体産業トップ企業の売上とランキング2021ーカウンターポイント社
2022年2月28日 10時50分更新
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (以下、カウンターポイント社)は、SamsungがロジックICとメモリーの両方で安定して成長し、Intelに代わって業界トップとなったという最新調査を発表した。
中国と米国、双方がエンティティリストの発行を受け、2021年の半導体産業は大きく構造が変化した。また、半導体市場全体の売上ランキングも、2021年には前年からの変化があり、SamsungがロジックICとメモリーの両方で安定して成長し、Intelに代わって業界トップになった。半導体メモリー関連企業が引き続き市場を牽引し、SK HynixとMicronがそれぞれ3位と4位になった。この後に、ファブを持たずIC設計に特化する企業が続き、QualcommやNVIDIAの名前も挙がった。
2021年、多くの大手半導体メーカーは、半導体使用量の伸び、在庫の増加、世界的な部品不足や物流問題によるチップのリードタイム延長など、業界に質的な変化が起きていると指摘していた。この年、メモリーとIC設計の両セクターが貢献したことで、売上は対前年比で19%伸びた。
半導体産業 トップ企業の売上とランキング - 2021年
出典: カウンターポイント社調査
Samsungは、DRAMとNANDフラッシュの好調な業績で2021年にトップとなり、その煽りを受けIntelは売上が伸び悩んだ。スマートフォン用SoCやGPUの大手もこの1年で大きく伸び、売上ベースで前年比5割を超える成長をみせた。また、トップ15社の平均の伸びは前年比27%となり、これは世界全体の平均を上回っており、この年も半導体産業の集中化が進んだことを伺わせた。
全体的にみれば、部品供給問題は2022年下期に入るまで続きそうではあるが、一部では不足状況の改善もみられる。一方、今後の動向は、まずファンダリ各社は2023年に向けて設備を増強している。これに関しては、近い将来、需要側・供給側共に平時の状態に戻ったとしても、パートナー企業との関係性にも設備稼働率にも問題はないだろうと多くのファウンダリが楽観的に考えている。今後もハイパフォーマンスコンピューティング、メタバース(AR/VR/XR)、5G、自動車が半導体使用量の伸びを牽引する重要な要素となることだろう。
参考:本ランキングはチップを提供する企業についてまとめたもの。二重に計上することを避けるため、ファウンダリは含めていない。
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