コロナ2年目「2021年、販売苦戦したランキング」 ー インテージ
2021年12月16日 11時45分更新
インテージは、全国約6000店舗より収集している小売店販売データをもとに、今年、日用消費財の中で何がより苦戦したかを、推定販売金額の減少から振り返る「2021年、販売苦戦したものランキング」を発表した。
コロナ2年目、販売苦戦したランキングの1位はうがい薬で前年比60%となった。コロナの予防などで昨年は232%と大きく売り上げを伸ばしたが、今年は一転4割の減少。それでもコロナ前の2019年に比べると約1.4倍に市場規模は増えている。同じ医薬品でも違う動きを見せたのが7位・総合感冒薬(79%)。マスクや手洗いなど感染症対策が進む中、2年連続で数字を落とした。10位・口腔用薬(80%)は昨年はほぼ横ばいだったが、今年に入って2割減。直接のどに消毒液を吹きかけるタイプが、昨年8月にうがい薬同様に大きく売り上げを伸ばす特需などもあり増えたものの、感染症対策が徹底されたことなどもあり今年は減少した。
コロナの感染予防対策となる衛生系商品は、昨年驚異的に売り上げを伸ばした反動もあり、トップ10に5つも入った。2位・殺菌消毒剤(70%)は、外出時にアルコールなどで手を消毒することが日常的に続いていることもあり、昨年より3割減も、コロナ前からは約2倍の市場規模となっている。4位・ぬれティッシュ(74%)もアルコール成分が入ったものを中心に、今年は減少も2019年よりは3割以上も売り上げを増やしている。
そして昨年売り上げ1位で前年比440%を記録したマスクは、今年は75%にとどまった。マスクの単価が品薄状態の時より落ち着いたなどの要因もあるが、2019年に比べて331%と相変わらずの高止まり傾向が続いている。今も街中を歩く多くの人がマスクをし続けていることや、オミクロン株の出現などもあり、この傾向はまだ続きそうとのこと。8位・せっけん(79%)、9位・清浄綿(79%)も、昨年の反動が出た形となっている。
眉目料やクレンジングなどで、一部回復傾向が見えた化粧品だが、マスクにかかる部分は縮小幅こそ減ったものの苦戦が続いた。3位・ほほべに(72%)は需要が回復はせず、2年前に比べると販売金額は47%と半分を割った。また2020年の販売苦戦ランキング1位となった口紅は、今年は6位で77%。昨年の55%減に比べれば減少幅は減少したものの、コロナ前と比べると市場規模は35%、約3分の1まで縮小した。落ちにくくマスクにつきにくい口紅なども投入されているが、本格的な回復は来年以降になりそうとのこと。
12位・芳香・消臭剤(83%)は、ウイルス除去効果をうたうものや、おうち時間を快適にする需要で昨年は伸びたが今年は反動で落ちている。ランキング外だが20位・住居用ワックス(85%)、22位・住居用クリーナー(86%)なども数字を減らした。またパンケーキなどを作るときに使われる13位・プレミックス(84%)も、昨年の巣ごもり期間に家でお菓子などを作るブームが少し落ち着いたこともあり、前年には届かなかった。16位・小麦粉(85%)、28位・蜂蜜(88%)なども同様に数字を落としているが、これらの商品はコロナ前よりは販売金額は増えており、一部の人たちには根付いた形になっていそうとのことだ。
関連カテゴリー